ロンドン発--人気のマイクロコンピュータ「Raspberry Pi」を手がけるRaspberry Pi財団は、製品の展開を図る新たな戦略として、企業向けにカスタマイズした量産版を提供する。
子供にプログラミングへの関心を持たせる安価な教育用ツールとして設計されたRaspberry Piは、2012年に発売されると多くの技術マニアの心をとらえた。低コストで必要最小限のコンピュータモジュールが提供され、工夫次第でさまざまな楽しいDIYガジェットを制作できるからだ。
同製品が700万台も売れたことを受けて、Raspberry Pi財団は、この強力で小さなコンピュータに手を加えたものを製品に組み込みたいと望む企業向けに、世界的な規模でカスタマイズサービスを立ち上げる。
Raspberry Piを開発したEben Upton氏は現地時間10月27日、想定している買い手として、Raspberry Piのカスタム版をメディアプレイヤーや、家庭内の他のすべてのガジェットと通信するホームオートメーションハブなどに組み込みたいと考えている小規模企業を新サービスの発表の場で挙げた。
サムスンやMicrosoftのような巨大企業はおそらく、カスタマイズされたPiボードの大量注文という選択肢には関心を示さないだろう。だが、Raspberry Pi財団は、Kickstaterを利用するような組織で、IoT(モノのインターネット)ガジェットの頭脳となるコンピュータを求めている人々が、魅力を感じて発注することに期待している。カスタマイズのプロセスにより、接続ポートを増やしたり減らしたりして、Piを特定の用途に適したものにすることができそうだ。
10月27日に発表されたカスタマイズサービスは、同財団の長年のパートナーであり、Piの発売当初から販売を担ってきたElement 14の協力により可能になった。Element 14は最近、AVIDとEmbestというエンジニアリング企業2社を買収しており、カスタマイズされたPiボードの機械工学と製造は、これら2社が受け持つことになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。