IBM Insight

The Weather Company幹部が訴求する「気象分析情報が資産になる理由」

鈴木恭子 2015年11月03日 07時00分

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 IBMは米国時間10月28日、ネバダ州ラスベガスで開催した「IBM Insight 2015」で気象データを提供するThe Weather Companyの企業向けデータ部門と関連資産を買収することで合意したと発表した。4月の提携発表以降、一部の米国メディアは買収の可能性を指摘していた。

 今回の買収が発表される2日前、The Weather Companyでグローバル企業向け部門責任者兼Weather Services International(WSI)プレジデントを務めるMark Gildersleeve氏は、日本メディアのグループインタビューに応じていた。同氏は“IBMとの提携強化”(インタビュー時点では買収は明らかになっていなかった)のメリットについて、言葉を選びつつも「気象情報がビジネスに与えるインパクトとその効果」を熱く語っていた。

10月28日のゼネラルセッションでThe Weather Companyの買収が発表された。壇上では両社の担当者らが“自撮り”でお祝い
10月28日のゼネラルセッションでThe Weather Companyの買収が発表された。壇上では両社の担当者らが“自撮り”でお祝い(IBM提供)

 日本でも気象情報をビジネスに活用するケースが増加している。

 例えば、エネルギーなどのインフラ系企業は、発電需要やエネルギー資源の調達予測などに役立てている。また、スーパーやコンビニなどの流通業では、発注する商品量やその種類などを調整している。「気温27度以上でアイスクリームが売れ、30度を超えるとアイスキャンデーの方が売れ、それ以上になると清涼飲料水が売れ始める」という、アイスと気温の相関関係は有名だ。

 Gildersleeve氏は、「気象情報はあらゆるビジネスを最適化、効率化を実現できる“ネタ”になる。膨大なデータが収集、分析できる現在、天気を洞察に加えれば、顧客によりよいサービスを無限に提供できる」と語る。

Mark Gildersleeve氏
The Weather Company グローバル企業向け部門責任者兼WSIプレジデント Mark Gildersleeve氏

世界22億カ所の気象データをリアルタイム収集

 気象情報の活用でビジネスはどう変化するのか。既存の気象情報活用とは何が異なるのか。

 Gildersleeve氏は「気象データをそのまま提供しても、企業にとっては役に立たない。われわれが提供するのは、(分析によって)データを必要な情報に“変換”した情報資産だ」と、その違いを強調する。

 The Weather Companyの強みは、ピンポイントで特定地域の気象情報を提供できることだ。同社は世界22億カ所の気象データをリアルタイムで収集し、15分に1回の頻度で更新している。情報はPCやモバイルデバイスに最適化された映像「The Weather Channel」で提供するほか、顧客企業に対しては、業界に特化した分析を加え、「経営者の意志決定を支援できるレベル」にまで落とし込んだ情報を提供している。

買収発表の翌日、The Weather CompanyのウェブサイトのトップページにはIBMのロゴが表示されていた
買収発表の翌日、The Weather CompanyのウェブサイトのトップページにはIBMのロゴが表示されていた

 「航空会社を考えてほしい。われわれが提供する気象データは、航路上にある台風を避けるといった決断を促すレベルではない。一定の距離を飛行する際に、最適な飛行経路で効率的な消費燃料量を算出できるレベルまでの情報を提供する」(Gildersleeve氏)

 例えば、大型航空機であれば待機する場合でも、地上で待機するか(その場合も燃料を消費する)上空を旋回して待機するのかで消費燃料は大きく異なる。気象データを分析し、「どの時間に、どこを飛べば、悪天候の影響を受けずに飛行し、待機時間を少なくできるか。どの方角から着陸すれば燃料効率がよいのか」まで判断できるような情報を提供しているという。

“強固な提携”で顧客が2倍に

 IBMとの“提携”によるインパクトについてGildersleeve氏は、「ビジネス規模の拡大と相乗効果」を挙げる。IBMはグローバル企業であり、各国の大規模エンタープライズを顧客に抱えている。一方、The Weather Companyはエネルギー、航空といった分野に顧客を擁するものの、ビジネスは北米が中心だ。

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