富士通と米VMwareは11月9日、顧客に柔軟かつ安全なクラウドの利用を促進することを目的とした新たな協業を発表した。特に、ユーザー企業の間で広がっているハイブリッドクラウドの利用ニーズに応えるため、世界中の顧客をサポートすべく協業を進めていくという。
協業拡大の一環として両社は、富士通の最先端技術を実装したデジタルビジネス基盤「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」の中核となるクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」と、仮想デスクトップソリューション「VMware Horizon」をベースにした「FUJITSU Managed Infrastructure Service 仮想デスクトップサービス V-DaaS」の世界展開に向け、販売とマーケティング活動を展開するプロジェクトチームを発足させることで合意した。
両社は、ASEAN諸国を皮切りにV-DaaSを世界市場へと展開していく。
両社による新たな協業の取り組みは以下の通り。
- 富士通とVMwareは、VMwareの技術をFUJITSU Cloud Service K5向けに最適化し、FUJITSU Cloud Service K5と企業のオンプレミス環境で稼働する基幹システムをシームレスに利用できるようにする。この取り組みを通じて、両社は企業に向け最適化したハイブリッドクラウドを提供していく。
- 両社は、企業のコンテナ利用を加速させる「VMware vSphere Integrated Containers」のテクノロジープレビュ版を活用し、FUJITSU Cloud Service K5のPaaS(Platform as a Service)機能を拡張させ、クラウド型アプリケーションの容易な開発、展開に向けて協力する。
- 富士通は、VMware HorizonとVMwareのネットワーク仮想化技術「VMware NSX」、富士通独自の「手のひら静脈認証技術」を活用し、社内外を問わず発生するセキュリティのリスクや仮想デスクトップ上でのなりすましを最小限に抑制するセキュリティソリューションを提供していく。富士通は、このソリューションを富士通と国内グループ会社の従業員8万人に向け導入し、V-DaaSとスマートデバイスの管理サービス「FENICS II Mobile Management AirWatch by VMware」のサービスレベル向上を図る。
- VMwareと富士通の協業により、企業は信頼性と機能性、安全性と可用性を備えたビジネスアプリケーションを世界共通のユーザー体験のもと、利用できるようになるとしている。今回のパートナシップ拡大により、顧客企業はハイブリッドクラウドのシームレスな運用を通じてコストを最適化でき、ビジネスの要件に応じてITインフラを即座に導入できるようになる。
VMwareと富士通は2006年からパートナシップを結んでおり、富士通はVMwareのハイブリッドクラウド導入・運用支援プログラム「VMware vCloud Air Network」に参画している。