エンタープライズアーキテクトは、4人のうち3人が会社をデータ主導の組織にしようと取り組みを進めている。しかし、多くのテクノロジ担当マネージャーは問題の一部にしか対応していない。その一部とは、テクノロジを使って、より多くのデータから、より低コストでより素早く、より深い知見を得ることだ。しかし、自分の会社がアナリティクスの結果をビジネスの結果に結びつけることに成功していると考えるアーキテクトは、29%にすぎない。これはかなり大きなギャップだ。問題は、この「データ重視」という考え方が、テクノロジの範囲を超えるものになっておらず、企業が本当に重視するもの、つまり業績に結びついていないことだ。
2016年には、顧客を重視する先進企業が競争状態を抜け出す。また、企業が売上の増加と顧客体験の変容を追求するようになるにつれて、状況の変化が見られるだろう。企業がビッグデータやデータを重視する考え方に基づく問題解決を行うようになるにつれて、データから得られた知見は、競争を有利に戦う上で重要な武器になるはずだ。
変化1:データとアナリティクスは、今後も漸進的な改善をもたらす
2016年には引き続き、データ重視の投資がデータの重要性を引き上げ、事業成績を漸進的に改善していく。Forresterは、2016年には次のようなことが起こると予想している。
- 当面の間、最高データ責任者(CDO)の権力、評判、プレゼンスが増す。ただし、この役職の長期的な重要性については明らかではない。一定の種類の企業(デジタルネイティブ企業など)では、CDOを任命してもメリットはない。
- 機械学習が、知見を活用する妨げになっている要因である、時間との闘いで有利に働く。機械学習は、現在人間の手で行っているデータ処理や、データのガバナンスに関する煩雑な作業を肩代わりするようになる。専門家の手が空くことで、データ戦略の実施は加速する。
- 企業はデータを売却しようとする。一部の企業は成功するが、大部分は失敗する。2016年には排気データから価値や収益を得ようとする企業の数が増える。期待に反して、多くの企業は個人情報保護や適切なビジネスモデル構築に関する複雑さを制御しきれず、これに失敗する。