変化2:データサイエンスとリアルタイムアナリティクスによって、知見が活用されるまでの時間が短縮される。
データサイエンスとリアルタイムのデータ収集、アナリティクスの導入が引き続き進み、データの収集から知見の獲得、アクションに至るプロセスのギャップを埋める。Forresterは、2016年には次のようなことが起こると予想している。
- 3分の1の企業が、アウトソーシングとテクノロジの活用によってデータサイエンスの活用を追求しようとする。企業はアナリティクスサービスやアルゴリズム市場、セルフサービスの高度なアナリティクスツールなどに注目し、コグニティブコンピューティングサービスでデータサイエンスのギャップを埋めようとする。
- デジタルの領域で成功する企業には、ストリーミングデータ処理とアナリティクスが必要不可欠になる。データの収集からアクションまでにかかる時間が短縮される。今後12カ月間は、「Kafka」や「Spark」などのオープンソースプロジェクト上に構築された、分散型のオープンソースによるストリーミングデータ処理プラットフォームの構築が進む。
- アルゴリズム市場が注目を集め始める。多くのアルゴリズムは、必ずしも自ら開発しなくても獲得可能であることを、企業が認識し始める。企業はそれにデータを入力するだけでよい。例えば、「Algorithmia」「Algo Market」「DataXu」「PrecisionHawk」「Alogrithms.org」「Algorithms.io」「Kaggle」あるいは「AzureML」や「BigML」のギャラリーなどのサービスが人気を得ている。
変化3:知見をアクションに結びつけることは、それほど簡単には成功しない。
2015年中は、知見とアクションの間のギャップは、埋まらない大きな穴のまま残った。もっとも先進的な企業を除けば、2016年もこのギャップを埋めることは難しいだろう。しかし2016年の終わり頃には、ビッグデータ関連の進歩が進み、知見とアクションのギャップを埋める方向に向かう。Forresterは、2016年には次のようなことが起こると予想している。
- IT部門主導のビッグデータハブへの投資は、その半分が中止されるか、別のことに流用される。アナリティクスから得られたアウトプットに対する事業部門の満足度は、2014年から2015年にかけて20%低下した。2016年には、ビッグデータへの投資が顧客の獲得、サービス提供、維持に目に見える貢献ができていない場合、せっかちなビジネスリーダーが投資を中止するか他へ回すという事例が出てくる。
- BIから「知見のシステム」へと移行できるチームはわずかしか出ない。アジャイルなBIに向けた取り組みを始めているチームは少なく、さらに次のステップである「知見のシステム(Systems Of Insight)」へ進む準備が整うのは、そのうち3分の1以下だとForresterは予想している。
- データブローカーと知見のイノベーターは、知見サービス市場で衝突する。テクノロジ企業やデータブローカー、マーケティングデータ管理プラットフォーム(DMP)は、(データではなく)知見をサービスとして販売するチャンスを狙っている。しかし、それぞれがまったく異なる戦略でその需要を満たそうとしている。2016年にはこれらが入り乱れて混戦になるだろう。
筆者が執筆したレポート「Predictions 2016: The Path From Data To Action For Technologists」では、この記事の内容についての背景や実例、推奨される対応などを説明している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。