英政府初の最高データ責任者に聞く--新たな時代のデータ共有に向けて

Alex Howard (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子 2015年04月07日 06時30分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 本記事では、英国政府初の最高データ責任者(CDO)に任命されたMike Bracken氏にインタビューした内容をお届けする。同氏は、標準となる規約を確立し、各政府機関内にサイロ化されてしまっている有益なデータを流通させることで、ガバナンスの向上に向けた道を模索していくと述べている。

 GOV.UKというオンラインプラットフォームによって、英国国民は合理化されたかたちで政府のサービスを利用できるようになっていると言える一方、その責任者Mike Bracken氏の肩書きはどんどん増えている。現地時間3月24日に英国政府初のCDOに任命された同氏は、2011年5月から英国内閣府のデジタル部門のエグゼクティブディレクターと、Government Digital Service(GDS:政府デジタルサービス)の責任者を務めている。なお同氏は2014年10月に英国の最高デジタル責任者として初めて、Chief Digital Officer of the Year 2014に選出されている。

提供:Alex Howard
ロンドンにあるGDSのオフィスにて。Mike Bracken氏の横にはGOV.UKのポスターが貼られている。
提供:Alex Howard

 同氏は、あらかじめ用意した英国内閣府からの声明文のなかで「英国政府は今までCDOという役職を置いていなかった」と述べたうえで「では、なぜ今になって必要としたのだろうか?政府のデータ利用効率を向上させるさまざまな取り組みはこれまでもあったが、データにまつわる検討課題を解決に向けて後押しするための中枢機関がなかったためだ。今までの取り組みの多くは独立したプロジェクトとして実施されてきていた。このため取り組みに整合性を持たせ、市民や企業のために公共データを可能な限り効率的に利用する必要がある」と続けた。

 英国内閣府によると、Bracken氏は以下の3つの目標に向けて特に力を注ぐという。

  • Government Data Standard(英国政府のデータ標準規約)の制定と実施を統括する。
  • オープンデータを支持するとともに、既存の政府データはどこにあろうと公開できるようにする。
  • 政府における意思決定ツールとしてデータ利用を推進する。

 筆者は、21世紀の政府についてのBracken氏の考えを語ってもらう機会を、数年前のGOV.UKの立ち上げ時から何度か得ている。機能しない調達システムを何とかする方法についての同氏の考えは、そのうちのほんの1つでしかない。また、英国のGDS設立の成果に触発されて、米国でUS Digital Service(米政府デジタルサービス)と、米連邦政府のソフトウェア開発機関である18Fが設立されたと言ってもよいだろう。そして、Bracken氏が提唱するデジタルコアの確保、すなわち政府内にデジタルリソースを確保しておくことによって、世界中の官僚機構を悩ませている大きな難問の1つに取り組めるようになる。その難問とは、データに対するアクセスと相互運用を可能にし、政府の各部門の人々に有益性をもたらすというものだ。

 Bracken氏は声明で「われわれは今や初めからデジタル化された公的サービスの実現に向けて足を踏み出し、Government as a Platform(プラットフォームとしての政府)に向けて進んでいる。クリアで例外なく適用できるデータ標準規約の必要性は以前にも増して明らかになってきている」と述べるとともに「われわれが『公共サービスとしてのソフトウェア』について語るのと同様に、『公共資産としてのデータ』についても語るべきだ」と述べた。

 以下は、英国のCDOであるBracken氏とのインタビューのなかで、同氏の新たなポートフォリオに関してやり取りした内容だ。なお、趣旨を簡潔かつ明確にするために若干の編集を加えている。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
展望2017
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算