SAPジャパンは11月18日、SAP Adaptive Server Enterprise(SAP ASE)の新版「SAP ASE 16 SP02」の提供を同日より開始したと発表した。
ASEは、SAP Business Suiteや、SAP Business Warehouse、SAP Solution Managerなどをはじめ、パートナーソリューションやカスタムソリューションなど、膨大なトランザクション処理(XTP:Extreme Transaction Processing)を要求する多くのアプリケーションに向け、高速なパフォーマンスと実証済みの信頼性、そして管理の効率化による低TCO(Total cost of ownership:総所有コスト)を提供するプラットフォーム製品と位置づけるもの。
今回の主な新機能は以下の通り。
高速トランザクション処理
ASEデータベースの新たなMemScaleオプションにより、大規模同時アクセスユーザーが実行するXTPアプリケーションをサポート。
なお、ベルギーの医療プロバイダー最大手のUZ Leuvenは、MemScaleオプションとして強化したトランザクション処理機能を評価したところ、トランザクションのスループットにおいて250%改善したとのこと。
非常に堅牢なビジネス継続性
ASEデータベースの新たなalways-onオプションにより、ローリング(無停止)アップグレードや自動アプリケーションフェールオーバーなどによる統合された高可用性とディザスタリカバリのアーキテクチャを使用して、グローバルで24時間365日オペレーションを実行できるとしている。
高効率性
ASE workload analyzerオプションにより、データベース管理者は潜在的なワークロードをシミュレーションしてシステム環境を最適化することで、運用効率の向上、無停止のデプロイメントが可能になる。
これらの新しい機能により、HANAを使用したASEのレポーティングアプリケーションの処理速度を加速させる「SAP HANA accelerator for SAP ASE」や、ASEのAmazon Web Services(AWS)、HANA Cloud Platform、HANA Enterprise Cloudなどのクラウドベースのデプロイメントのサポートをさらに拡張することになるという。
また、クラウドにおけるさまざまなオプションを提供するだけでなく、ASE Enterprise Editionの無制限、ノンプロダクティブ(非稼働)環境での使用を提供する柔軟なライセンスモデルも利用可能になっている。
SAPのプラットフォーム・ソリューション部門責任者、Steve Lucas氏は次のようにコメントしている。
「トランザクショナルアプリケーションは、あらゆるデジタルエンタープライズの心臓部分であり、信頼性の高いデジタルコアはその必要不可欠な基礎部分だ。新版により、SAPはトランザクションの処理スピードを大幅にアップし、継続的な可用性、効率的なデプロイメントという非常に重要な新たなイノベーションを提供し、デジタルエコノミーにおける顧客の成功を実現する」