仮想化の専門企業であるVMwareは、親会社EMCとの合弁企業「Virtustream」の設立計画から撤退する意向だ。
VMwareが規制当局に提出した報告書を通じて明らかになった。
EMCとVMwareは、DellによるEMC買収計画が発表された10月12日の8日後に、出資比率50対50でクラウドサービスに特化した新会社を設立すると発表していた。EMCとVMware、そしてEMCが5月に買収したVirtustreamの3つの部門を統合して設立されるこの企業によって、クラウドに関する計画を盤石なものにする計画だった。
しかし、VMwareが同計画から撤退すると決まったことで、DellのEMC買収を巡る複雑な状況は、さらに混迷の度を増すと予想されるとRe/codeは指摘する。VMwareの株価はDellのEMC買収計画と密接に関連しているからだ。
DellのEMC買収が成立した暁には、子会社のVMwareもDellの傘下に入る。そこで、Dellと投資企業のSilver Lake Partnersは、EMC買収に必要な670億ドルという莫大な資金を捻出する方策の一環として、VMwareを対象とした子会社連動株式の発行を提案していた。
しかし、Re/codeによると、EMCとVMwareがVirtustreamの設立を発表して以降、VMwareの株価は低迷を続け、25%も下落してしまったという。これは、DellとSilver Lake Partnersがあてにしていた子会社連動株式の潜在的な価値が大きく減損したことを意味する。
Virtustreamの設立計画は、VMwareの株価下落の要因として各方面から批判されていた。