富士通は1月13日、位置情報を活用したサービス「FUJITSU Intelligent Society Solution SPATIOWL」に、店内の来店客や販売員の動きを分析する屋内位置測位ができる「SPATIOWL 人流分析サービス」を追加し、提供すると発表した。価格は、店舗の敷地面積や計測期間に応じた個別見積もり。販売目標は2018年度に累計3億円。
「SPATIOWL 人流分析サービス」の概要(富士通提供)
このサービスでは、小型のビーコンなどを活用したセンシング技術により、来店客の数や動線のデータを収集・分析し、来店客や販売員の動向、来店客が集中するエリア・時間帯などを把握、その結果を可視化して提供する。
具体的には、商品を入れるカゴにビーコンを貼り付けることで、ビーコンからの信号を店内に設置した受信機で感知し、SPATIOWLの位置情報データベースと照合、来店客の位置が把握できる。
これにより、来店客の動線や滞在時間などのデータを収集し、混雑が起こりやすいスペースやほとんど立ち寄らないスペースなどを明確にすることで、店内のレイアウト構成の参考にする。また、販売員がビーコンを身に付けることで、販売員の動きの違いなども把握でき、社員教育や店舗運営に生かすことも可能とした。
さらに、長期間データを収集することで、どの季節のどの時間帯が混み合うのかを予測できるようになり、繁忙期に合わせた適切な人員配置や商品の拡充・レイアウトが可能になるため、混雑や品切れを防止できるという。
サービスでは店舗の視察から、適切な位置への各種センサや受信機の設置、データ収集・分析、報告書作成までを提供する。データ収集には、個人を特定しないセンサを使用し、個体の位置情報のみを収集するため、あらゆる分野で活用可能という。
富士通では今後、店舗内だけでなく、周辺の交通状況や天気、近辺で行われるイベントの情報など外的要因をデータとして加えることで、来店傾向や購入要因などをさらに細かく分析。さらなる店舗運営の改善に向けたサービスを目指すとしている。
ビーコンの活用イメージ(富士通提供)
データ分析結果(富士通提供)