富士通は11月30日、JA西三河が「FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウドAkisai 農業生産管理SaaS生産マネジメント」を運用開始したと発表した。今後、蓄積したデータの活用による産地全体の生産性向上や生産計画にもとづく契約販売の拡大、出荷予測の精度向上、コスト低減に向けた農業経営者向けの指導強化などを進めていく。
「生産マネジメント」は、日々の生産現場の作業実績や生育情報を、モバイル端末やセンサを使ってクラウド上に収集、蓄積、分析し、農業経営における収益や効率性を高めることができる。手帳感覚で作業を記録ができ、入力されたデータは、部会の農業生産者やJAあいち経済連をはじめとしたJAグループ愛知で共有、活用できる。
JAあいち経済連では、これまで県下のJA西三河、JAひまわりにおいて、農業ICTの適用に関して実証してきた。そこで得られた共有データや多品目栽培での活用における効率化などの知見を、生産マネジメントに反映している。
JA組織では、販売促進活動や技術向上、品質向上に向けた活動を行う部会という組織があり、栽培品目などの作目別の生産者組織として販売促進活動や技術向上、品質向上に向けた活動を実施している。部会は、きゅうり、いちじく、トマト、いちご、ロイヤルマムなど品目ごとに分かれており、今回、ICT適用の実証活動で得られた共有データは、各部会が提供している。
JA西三河では、「生産マネジメント」の活用範囲や対象栽培品目を拡大しながら、作業情報や環境情報を部会内で共有し、可視化したデータを生かして、産地全体で生産技術の向上を目指す。また、JAひまわりでは、作業情報から高精度な出荷予測の判断に活用していく予定だ。