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セキュリティの懸念高まる産業用制御機器

企業内プライベートWindowsストア活用のすすめ(前編)

胡口敬郎

2016-01-14 07:00

 連載4回目となる今回は、2015年11月のWindows 10 ver.1511リリースと同時にサービスが開始された新しいアプリケーション配信基盤「ビジネス向けWindowsストア」を取り上げてみたい。

Universal Windows Platformと「One Core」

 Windows 10の特徴を表すキーワードとして「One Core」というものがある。従来のWindowsは、通常のPCやタブレット向け(Windows 7やWindows 8など)、スマートフォンやPDA向け(Windows Mobile)、組み込み機器向け(Windows Embedded)、Xboxをはじめとする家庭用コンソール機器向けなど、デバイスごとに別々のWindows OSが存在していた。

 これらのWindows OS間にはアプリケーションの互換性がなく、それぞれのOSごとにアプリケーションを開発する必要があった。Windows 10では、これまでデバイスごとに開発されてきたOSを1つにまとめて(One Core化して)、アプリケーションの互換性をとれる形態になった。


Windows 10のOne Core化

 これにより、1つのアプリケーションが特定のプラットフォームに依存することなく、Windows 10が稼働しているさまざまなデバイス上で動作するようになった。このプラットフォームに依存しないアプリケーションのフレームワークが「Universal Windows Platform(UWP)」であり、フレームワークに従って開発されたアプリケーションを「UWPアプリケーション」と呼ぶ。

 Windows 10のOne Core化によるUniversal Windows Platformの実装により、PC向けWindows 10上では従来型のWin32アプリケーション(*.exe)とUWPアプリケーション(*.appx / *.appxbundle)が動作することになる。UWPアプリケーションの開発手法については、今回の記事では詳細までは触れない。具体的な情報についてはマイクロソフトのこのウェブサイトなどを参照してほしい。

 UWPアプリケーションは、「Windowsストア」というアプリケーション配信基盤からWindows OSが稼働するデバイスに対して展開できる。Windowsストアは、既にWindows 8から存在しており、Windows 8向けにはWindowsランタイムアプリケーションを展開可能だった。しかし、Windows 8までのWindowsストアは個人ユーザーを想定した作りになっていたため、企業での利用にはいろいろな課題があった。

法人ユーザーから寄せられたWindowsストアの課題

 従来のWindowsストアは、個人利用を想定しているマイクロソフトアカウントを認証基盤としてユーザー認証を行い、サインインしているマイクロソフトアカウントに紐づく形でアプリケーションを入手する仕組みになっていた。そのため、有料のアプリケーションを入手するためには、マイクロソフトアカウントに紐づいた個人のクレジットカードや、専用のプリペイドカードで購入する必要があった。

 この仕組みは、法人や官公庁、教育機関でWindowsストアを利用しようとした場合に、次のような課題を発生させる。

  • マイクロソフトアカウントの大量取得はシステム的に制限されているため、数百~数千人規模の組織では全ユーザーのマイクロソフトアカウントを作成することが困難。また、アカウント作成後にユーザーの集中管理ができない。
  • アプリケーションの購入はマイクロソフトアカウントごとにクレジットカードやプリペイドカードによる決済が必要で、組織単位のまとめ買いができない。
  • 購入したアプリケーションはWindowsストアからのインストールが必須になっており、PCのキッティング時にサイドローディングで事前に組み込んでおくことができない。

 このように、Windowsストアをビジネス用のPCで利用するためにはユーザーに管理をゆだねる形である点について、改善が求められていた。

高度な「管理と運用」に対応したビジネス向けWindowsストアの登場

 先述した課題を解消すべく、Windows 10 ver.1511リリースに合わせて、個人ユーザー向けのWindowsストアとは別に「ビジネス向けWindowsストア」が開設された。ビジネス向けWindowsストアでは、組織での利用を想定したさまざまな運用と管理のための機能拡張がなされている。以下に、個人ユーザー向けWindowsストアとビジネス向けWindowsストアの機能を比較してみた。


個人ユーザー向け「Windowsストア」(左)と「ビジネス向けWindowsストア」(右)の機能比較

 ビジネス向けWindowsストアの最も重要な特徴は、ユーザーの認証基盤としてマイクロソフトアカウントに加え、Azure Active Directoryを基盤とした組織アカウントが利用できる点だ。これにより、Office365やEnterprise Mobility Suiteなどのマイクロソフトオンラインサービスを利用中の組織であれば、これらのサービスにログオンするための組織アカウントでWindowsストアを利用できるのだ。

 Azure Active Directoryであれば、ユーザーの管理は完全に一元化でき、オンプレミスのActive Directoryと同期させることも可能になる。そして、マイクロソフトアカウントでは難しかったユーザーの大量作成も非常に容易になる。さらには、アプリケーションのまとめ買いやライセンス管理、サイドローディングのためのモジュールの入手にも対応する。個人ユーザー向けWindows ストアに比べて、組織で利用するための機能が格段に向上しているのがおわかりいただけるだろう。

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