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記事まとめ「テレワーク常態化で見えたこと」
大木豊成「Apple法人ユースの取説」

テレワークの必須アイテムはMacBook AirかiPadか、あるいはそれ以外か - (page 2)

大木豊成

2016-01-27 07:00

テレワークのポイントは業務内容とツールの組み合わせ


 次に、テレワークに必要なアイテムについて考えてみよう。iPad Proが登場してから、iPad ProとSurfaceの比較とか、MacBook AirとWindows PCの比較といった記事を見かける機会が増えたように思う。しかし、われわれが仕事に使うツールを検討する場合、単にスペック比較を見ても参考にはならない。

 大事なことは、自分の業務内容であり、それを遂行するための環境はどうなのか、その環境にアクセスするためのツールとして、何が適切なのか、ということを考えなくてはならない。むしろ、スペックなどは本質な問題ではない。そして、それは会社の情報システム担当に任せておくべきことでなく、各自がきちんと考える必要がある。

 大量な入力業務があるのなら、キーボードは必須になるだろう。数字の打ち込みが多いのであれば、テンキーもあるほうがいい。しかし、タッチパネルで済む作業というのもあり得る。それならば、機動性も含めてiPadのほうがいいということもあるだろう。

 使う部署の社員が、各自の業務内容、ワークスタイルに合った端末を選択することが望ましい。こう言うとBYODを想定するIT部門の人たちもいるが、会社ごとのセキュリティを守る上では、BYODではなく会社支給のほうが管理しやすいし、利便性もあがるのだ。

テレワークにクラウドサービスは必須

 テレワークで働く社員は、ほぼ間違いなくPCを利用している。もちろん、それはiPadのようなタブレットでもいいが、広義の「コンピュータ」だ。そのコンピュータでクラウドサービスを使うことで、業務は断然早くなる。

 筆者の所属するイシンでは、メールとカレンダは「Google Apps」、社内コミュニケーションはすべて「ChatWork」、ファイル保存と共有は「Box」、社内の業務マニュアルはスマートフォンやタブレットで簡単にマニュアル作成できる「Teachme Biz」を利用している。さらにiPadなどでプレゼンするために「CLOMO SecureDocs」を利用し、その他の社内システムはサイボウズの「Kintone」でできている。クラウドサービスを利用したことがない方には何のことやら、という状態かもしれないが、これらをMac、iPad、iPhoneで活用することで、ほとんどの業務は出社しなくても出来るのだ。

 もちろん、出社しないといけない業務もある。そのためにオフィスは存在するわけだが、出社しなくてもいい業務を固めておけば、今日は出社するのか、あるいは出社しなくてもいいのか、を明確に切り分けることができる。

あとは管理職のトレーニングだ

 昨年、イシンの顧客企業で全社員のPCをWindowsからMacに入れ替えた企業があった。Macに変えるタイミングでクラウドサービスを導入し、営業を中心としたメンバーのワークスタイルを変えようという考えもあり、社員は皆さん大変喜んでいたのだが、数名戸惑っている人たちがいた。それが「管理職」の人たちだ。

 戸惑っていた理由は2つ。

  1. Macになって使いこなせるだろうか
  2. テレワーク、モバイルワークという名前は分かるが、出社してこない部下を評価できるだろうか

 Macになったら使いづらいという人たちがいる。たしかにOSが変わることで、今までと同じというわけにはいかない。Windowsでは下にあったタスクバーがMacでは上にある。Windowsではタスクバー上にアプリケーションのショートカットを置いていたが、MacになるとDockというものがあり、さらにそこに表示されていないアプリケーションをどうやって呼び出せばいいのか分からない。

 しかし、その程度のことはネットで調べればいい。ただ、Windowsしか使っていないからMacは使いづらいという人たちは、実はWindowsもさほど使いこなせていなかったのではないだろうか。現在の企業で、入社時にPCの研修をやっているところはほとんどないだろう。PCは使えて当たり前になっているからだ。新卒なら多少はあるかも知れないが、中途入社した社員にPCの研修をやるような企業はまずないだろう。

 しかし、「PCを使いこなせて当たり前」というのは、必ずしも正しくない。プログラマなどのIT技術者は別として、営業など外回りが本業のメンバーは、よほど興味を持って取り組まない限り、PCの最低限の機能しか使いこなせていない、ということは往々にしてあることだ。


 そういう意味でも、中堅社員、特に管理職にはクラウドサービスの使い方の研修を兼ねて、PCの研修も開催してあげるといいのだと思う。そうすることで、業務効率が大きく変わるケースを過去何度も見てきた。

 そしてもう一つ、「出社してこない部下を評価できるだろうか」という不安はよく分かる。筆者も前職までがそうだが、管理職になるからと言って、管理職とはどうあるべきか、という研修を受ける機会はあまりない。管理職は、部下の管理だけではなく、ケアもしなくてはならない。叱って伸びる社員は少なく、褒めることも必要だ。毎日出社してくる部下のマネジメントも大変だ。

 まして、目の前にいない社員を評価する仕組みを学んだことがある管理職はほとんどいないのではないだろうか。成果だけを見ればいいというのも難しい。こういう管理職に寄り添ってあげることは、とても大事なことなのだ。そして、これは外部のITベンダーに依頼しても無理だ。イシンでは、こういう企業の中に入って手伝うこともある。しかし、最終的にフォローし続けないといけないのは、内部の人事部門や経営企画部門といった人たちだ。

 管理職をトレーニングし、テレワークする社員を公平に評価し、モチベーションをアップさせるにはどうするのか。それを全社挙げて取り組む仕組みづくりが必要になるのだ。

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