クラウド分野でのシステムインテグレーションを手掛けるテラスカイは2月15日、新会社「BeeX」(ビーエックス)を3月1日付で設立すると発表した。SAPのソフトウェア環境をクラウドに移行する企業向けに導入サービスを提供する。当初は20人ほどでサービスを開始し、初年度1億5000万円の売り上げを目指す。
新会社の資本金は、資本準備金を含めて1億4950万円。株主構成は、1億円を出資したテラスカイが66.8%、サーバーワークスが8.03%、社員株主が25.08%となっている。
社長はテラスカイの佐藤秀哉氏が兼任し、副社長兼最高技術責任者(CTO)を外資系ベンダーでSAPビジネスの立ち上げなどを手掛けた経験を持つ広木太(ひろきまさる)氏が務める。
国内SAP導入企業2000社のうち、基盤を刷新する1000社、そのうち半分がAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureを含めたパブリッククラウド環境を採用すると考えているという。そのニーズに対応する形で新会社を設立する。
テラスカイの佐藤秀哉氏(左)とCTOの広木太氏
業務コンサルなどではなく、インフラ領域に特化し、運用オペレーション、カーネル、データベース、OS、ハイパーバイザ、サーバ、ストレージ、ネットワークなどインフラ分野を対象とする。
キーワードは、クラウドマイグレーション、クラウドオートメション、クラウドインテグレーションの3つ。新会社としての訴求点として、SAPテクニカルレイヤの専門集団としてのスキル、クラウド基盤からSAPまで一気通貫した最適な基盤環境と運用サービスの実現、テラスカイ、サーバーワークス、Sky365との連携を挙げている。
具体的には、AWSやAzure、S/4HANAなどへのクラウドマイグレーション、サーバーワークスの運用自動化サービス「Cloud AUTOMATOR」、SAPとクラウドアプリケーションとの疎結合連携を実施するテラスカイの「SkyOnDemand」、24時間365日の運用保守サポートの導入サービスなどを展開していく。
佐藤氏は「SAPの導入金額は大きく、基幹をクラウドに載せることで情報系など周辺機能のクラウド化、その際の運用保守の共通化といったニーズも見込める。結果として、事業規模についても非常に大きな市場に成長する可能性がある」と話している。