Googleは世界のすべてのパブリッシャーに対し、「Project Shield」を利用してジャンクトラフィックによる猛攻撃をかわすよう呼びかけている。Project Shieldは、ウェブ上の分散型サービス拒否(DDoS)攻撃を防ぐために設計されたサービスだ。
Project Shieldは、Google Ideasが2013年に、パブリッシャーや人権団体が悪意のあるトラフィックによってアクセス不能にされるのを防ぐ手段として、Googleのウェブサイト高速化サービス「PageSpeed Service」(現在は閉鎖)上でリリースした。
Alphabetの会長を務めるEric Schmidt氏は先ごろ、新たに設置したJigsaw部門にProject Shieldを移管したことを発表した。同部門はGoogle Ideaが担っていたシンクタンクの役割を受け継ぐとともに、テクノロジインキュベーターとしての機能にも取り組んでいく。
米国時間2月17日に発表されたJigsawの最初の取り組みの1つは、Project Shieldのベータ段階を終了させて、世界中のすべてのニュースパブリッシャーに無料のサービスとして提供することだ。
狙いは、世界のニュースサイトを「検閲手段としてのDDoS」から保護することにある。JigsawのプレジデントでSchmidt氏のアドバイザーを務めるJared Cohen氏はこうした攻撃について、Googleの価値観に反するものだと述べている。
「これらの攻撃によって脅かされる表現の自由と情報へのアクセスは、いずれもGoogleの基本的価値観だ」とCohen氏は記している。
Cohen氏は次のようにも述べている。「今回の拡大によって、膨大な数のニュースサイトがProject Shieldにアクセスできる。Project Shieldは無料なので、特に小規模な独立系報道機関でも、閉鎖に追い込まれるのを恐れることなく、重要な仕事を続けられる」