シャープ、ネットワークカメラを提供--4K3K画質で360度を監視

大河原克行

2016-03-11 14:11

 シャープは、4K3K解像度で360度の全方位映像で監視し、映像データを無線LANで送信できるネットワークカメラ「QG-B20C」を4月から発売する。税別の希望小売価格は43万5000円。

 同社は、2015年6月に無線バックホール方式の無線LANアクセスポイント「QX-C300」シリーズを発表。これにより、スマートネットワーク事業をスタートし、同社の無線技術を生かした企業向けビジネス展開の足掛かりをつくってきた。今回のネットワークカメラの新製品は、QX-C300シリーズと連携して提案できる無線LANネットワーク対応IoTソリューション製品の第1弾と位置付けている。

 「無線技術のBtoB展開とともに、箱売り中心からソリューション提案を軸に据えた製品になる」(コンシューマーエレクトロニクスカンパニー 事業開発プロジェクト管理統轄部 スマートネットワーク推進部長 の笛田進吾氏)としている。

 QG-B20Cは、シャープが独自開発し、国内工場で生産している12メガピクセルの1型CMOSイメージセンサを採用。大型画素セルサイズと独自の画素セル技術を生かし、高感度と高色再現性を実現したという4K3K(4064×3048ピクセル、秒間フレームは最大15)で全方位を監視する。

 従来の監視カメラの多くは、サーバ側でデータを処理したり、保存したりするために転送作業が必要になる。そのため、高解像度映像は顔などが認識しやすい反面、転送やサーバでの画像処理で負荷がかかるという課題があった。

 シャープのQG-B20Cは、3つのストリームを活用したトリプルコーディング機能を搭載。常時記録と異常発生時の記録用に4K3K、常時記録用にHD(1280×960ピクセル)、ライブ用にVGA(640×480ピクセル)を用意。この3つの解像度をカメラ側で同時にエンコードし、カメラに搭載されている2枚の256GバイトのSDメモリカードに4K3K映像を保存、128Gバイトの1枚のSDメモリカードでHD映像を保存する(SDメモリカードは別途購入する必要がある)。

 3つのスロットは、いずれもSDHCとSDXCに対応。4K3K映像は常時記録で約4日間分を保存でき、HD映像では約7日間分を保存できる。スロット部は専用工具を使用しないと開かない仕組みとなっている。

カメラ本体にトリプルエンコーディング機能を搭載している
カメラ本体にトリプルエンコーディング機能を搭載している

 「カメラ単体での4K3KとHDの高解像度画像を活用した解析により、検知精度を向上させることができる。詳細な映像確認が必要なアラーム発生時には、4K3K画質で記録。通常時のモニター表示では、ネットワーク帯域を抑制したVGA画質で配信するといったように効率的な運用ができる」という。

 さらに、無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠)に対応。LAN設備が不要であることから電源さえ確保すれば設置が可能。たとえば、公園の照明に取り付けることで監視カメラとしての利用のほか、QX-C300シリーズとの連携で、公衆無線LANサービスのアクセスポイントとしても利用できるようになる。

 「IP66に準拠した防水防塵設計、IK10に準拠した耐衝撃設計としていることから屋外設置にも適しており、これまで困難だった場所にも柔軟に設置できる。LTEや3Gなどの通信コストが不要であるため、運用費の削減にも貢献。高画質の映像データを手軽に送信できる」としている。

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