サービスまでを含めた事業体制を確立したい
QG-B20Cには、カメラ本体に画像解析機能を標準搭載。設置したエリアへの動体の侵入検知、物体の置き去りや持ち去りの検知といった機能のほか、映像内に設定したラインを越えた人数、設定エリア内に立ち止った人数をカウントできる 「人数カウント」機能、複数の駐車エリアの空き状態をリアルタイムで検知する「駐車場空き スペース検知」機能、設定エリア内の行列の有無を検知する「行列検知」機能といった独自の画像解析機能も提供する。
「監視中の異常発生をカメラで検知し、録画の開始やアラーム通知などを行う画像解析機能も提供している。監視業務の効率化だけでなく、ショッピングモールや商業施設、駐車場や公共施設の管理、イベント会場や通学路の監視などさまざまなサービスを構築できる」としている。
警察や自治体、小売店のほか、河川の氾濫などの危険な地域の監視、あるいは工事の進捗にあわせて工事現場内の監視エリアを移動、拡大するといった用途での利用を想定しているという。
「LAN工事が不要であることから電源を確保できれば、これまで設置が困難だった場所の監視も可能になる」としている。
また、4K3K解像度の映像から詳細を確認したい場所を指定し、動画で切り出しできるクロッピング機能にも対応。ネットワークビデオ製品インターフェースの標準仕様であるONVIF(Open Network Video Interface Forum)への対応を予定しており、他社のONVIF対応のビデオレコーディングソフトウェアなどにも接続できる。
シャープは今後も、スマートネットワーク事業の拡大に力を注ぐ考えだ。
スマートネットワーク事業は、シャープの無線設計技術を活用した企業向けビジネス。すでにQX-C300を製品化。今回、新たにQG-B20Cを投入し、製品ラインアップを拡大した。QX-C300を活用した無線LANインフラを構築、運用、保守するサービスを提供。無線LANとSub-GHz帯無線をインフラとして活用する新たなIoT機器の創出とソリューションサービスも提供する。
「単に製品を投入するだけでなく、サービスまでを含めた事業体制を確立したい。システムインテグレーターとの連携でソリューションを提案していく。すでに発売している無線LANアクセスポイントのQX-C300は、まとまった台数の商談なども始まっており、いい手応えを得ている。法人市場向けに無線LANアクセスポイントとこれを活用する機器、ソリューションサービスをあわせて、2016年にはスマートネットワーク事業で100億円の事業規模を目指す」(笛田氏)としている。
シャープ コンシューマーエレクトロニクスカンパニー 事業開発プロジェクト管理統轄部 スマートネットワーク推進部長 笛田進吾氏とQG-B20C