分散サービス拒否攻撃(DDoS)の頻度が増えているという。それだけでなく、攻撃の規模は大きくなり、被害も大きくなっているとセキュリティ企業のVerisignが警告している。
Verisignが発行した報告書「VeriSign Distributed Denial of Service Trends Report」によると、DDoS攻撃はかつてない勢いだという。2015年第4四半期のインスタンス数は前年同期と比較すると85%の増加で、件数はほぼ倍増した格好だ。2015年第3四半期と比較しても15%の増加となった。
レポートはまた、サイバー攻撃が持続的になりターゲットを繰り返し攻撃しているというトレンドも報告している。繰り返しDDoS攻撃のターゲットとなった件数はわずか3カ月で16倍と驚異的に増えた例もあるという。
攻撃が増加しただけではない。DDoS攻撃がもたらす被害の規模も増えている。Verisignが第4四半期に検出したDDoS攻撃のうちもっとも高速に大量の接続要求を送りこんだインスタンスは通信分野の企業をターゲットとしたもので毎秒1億2500万件(125Mpps)のパケットを送信した。トラフィックは65Gbpsに達したという。
「125Mppsは、Verisignがこれまで観測した1秒あたりのフラッドパケット送信数としては最高レベルとなる。これまでの記録だった2014年第2四半期の91Mppsを上回るものだ。この攻撃は重要なネットワークサービスの障害を狙ったもので、DDoSトラフィックを1度に大量送信する手法を複数組み合わせており、数週間にわたって断続的に攻撃を繰り返している」とレポートは記している。
この攻撃は通信分野の特定の企業に向けられたものだが、Verisignはあらゆる業界の企業がこのような「無差別型」DDoS攻撃のターゲットになる可能性があると警告している。
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。