フラッシュストレージの世界は奥が深い。本記事ではどのタイプのストレージがあなたの会社にとって最適なのかを見極めるための情報をお届けする。
フラッシュストレージを理解するにはまず、フラッシュストレージはどれも同じものだという考えを捨て、さまざまな種類があることを認識しなければならない。
フラッシュディスクやソリッドステートドライブ(SSD)について語っている時、われわれは1種類のデバイスではなく、さまざまな種類のデバイスについて語っている。
以下では、さまざまな種類のフラッシュストレージのうち、最も重要なものを概説する。
ハードディスクドライブ形態のFlash SSD
市場に最も多く流通しているのが、従来のハードディスクドライブ(HDD)のようなフォームファクタを採用したFlash SSDだ。これは小規模企業から大規模企業に至るまでのさまざまな企業で導入されている。
Flash SSDの機能は従来のHDDのそれと同じだが、データは磁性体を塗布したディスクの特定領域を磁化することで記録されるのではなく、フラッシュメモリと呼ばれるチップ上の浮遊ゲートに電荷を帯電させるかたちで記憶される。つまり、Flash SSDは電源を切った後も記憶した情報を保持し続けるために、HDDとは異なった仕組みを採用しているわけだ。
なおFlash SSDに搭載されているチップは、USB端子に「差し込んで使用する」小型のUSBメモリに搭載されているものとはタイプも違うし、速度も異なっている。速度は極めて高速であり、信頼性も引き上げられているのだ。このため、ずっと高価な製品となっている。
Flash SSDはサーバに搭載されることもあるが、必ずしも企業向けのドライブというわけではない。例としては、特定のシステムを起動するためのブートドライブが挙げられる。
ブートドライブの他には、企業向け製品での主な用途としてStorage Area Network(SAN)やNetwork Attached Storage(NAS)、Direct Attached Storage(DAS)といったシステムがある。
Intelの「SSD DC P3700」:コンピュータのマザーボードに接続できるコンパクトなサイズは企業を魅了している。
提供:Intel
Storage Strategies Now(SSN)のアナリストらによると「ドライブ形式の製品には既存のアレイ製品とのプラグアンドプレイが可能だという大きな利点がある。ただしこの利点には、他の実装と比べるとある種の代償がつきまとう。ドライブ形式の製品は、本物のディスクドライブのように振る舞う必要があるのだ」という。
つまり、ドライブベイやSANといった既存製品とのプラグアンドプレイを実現するために、ファイバーチャネルやシリアルATA(SATA)、Serial Attached SCSI(SAS)といった業界標準インターフェースを各ドライブ内に組み込まなければならないというわけだ。