PCIe接続のFlash SSD
このタイプはCPUバスの帯域幅をフルに活用できるものの、SSNのアナリストらによると興味深いトレードオフがあるのだという。また彼らは、「PCIe接続の製品分野はかつてFusion-ioの独壇場だったが、今ではMicron Technologyやサムスン、SanDisk、東芝を含む数多くのベンダーが参入している」と記している。
2015年におけるストレージ市場統合で最も重要な出来事が、SanDiskによるFusion-ioの買収だろう。Michael Dell氏が投資家として名を連ねたこともあるFusion-ioには、チーフサイエンティストとしてAppleの共同創業者であるSteve Wozniak氏が迎えられたこともある。
PCIe接続製品は非常に高いパフォーマンスを実現できるものの、価格も高価であるため、こういったデバイスに対する特定のニーズがあり、コストの高さを厭わない企業にしか使えないだろう。
SSNは大きな懸念として「冗長性の実現に向けた出費と、単一障害点が生み出され、これらのデバイスに関連する非常に高価なコンポーネントがオフラインとなる可能性」がある点も短所に挙げている
オールフラッシュアレイ
オールフラッシュアレイは、共有ブロックデバイスやNASファイルシステムとして動作する専用デバイスであり、たいていの場合はラックに収納するようになっている。なお、これらはHDD形態のFlash SSDや、DRAMメモリ、カスタムフラッシュモジュールのいずれか、あるいはそれらの組み合わせで実現されている。
オールフラッシュアレイを物理的に接続する際のインターフェースとしては、ファイバーチャネルやInfiniBand、Ethernetなどが一般的だ。SSNは「SANのようなブロック指向のデバイスを物理的に接続する場合、Fibre Channelを介したFibre Channel Protocol(FCP)や、InfiniBandを介したSCSI Remote Protocol(SRP)、Ethernetを介したiSCSIのほか、最近ではEthernetを介したATA(AoE:ATA over Ethernet)が一般的になってきている」と記している。
NASには一般的に、Network File System(NFS)やCommon Internet File System(CIFS)、Ethernetを介したServer Message Block(SMB)といったプロトコルが含まれる。デバイスの規模や容量は、単一ラックユニット(すなわち1U)から数百テラバイトのSSDを収容するラック全体に至るまでさまざまであり、選択肢も数多くある。
こういったデバイスは多くの長所を有しており、共有機能や広い帯域幅、スケーラビリティは特に大きな利点だと言える。その一方で、コストの一極集中が発生する(すべての卵を1つのかごに入れてしまう)とともに、注意深く設計しなければ単一障害点を作り込んでしまうという短所がある。