明治安田生命保険は、保険契約申し込み後、最短で翌朝に契約を成立できるようにするための新契約引受査定自動化システムとして、ビジネスルールに基づいて業務を自動化するためのソフトウェアを導入した。
導入したのは日本IBMの「Operational Decision Manager(ODM)」。明治安田生命は、ITの積極活用により、リスク判断や引き受け時の条件の決定など、新契約手続きにかかる事務プロセスを簡素化し、顧客の利便性向上や契約引き受け基準の見直しなどに取り組んでいる。
その一環として、1月5日からタブレット型営業端末を活用した申込手続きを電子化、併せて、自動査定システムを導入した。数日を要していた契約の手続き期間を短縮し、最短で申し込んだ日の翌朝の契約成立を実現した。
従来は、契約申込み時に必要となる被保険者の健康状態などの告知の際に、紙の告知書への記入が必要だった。新システムで、タブレット端末による申込手続きの電子化に加えて、告知書も電子化した。
電子化した告知書では、被保険者の状況に応じて、傷病名や治療内容などの質問が変わるドリルダウン告知を導入し、被保険者が項目を選択するだけで正確で漏れのない告知を可能にした。さらに、ODMのルールエンジンを活用することで、告知内容についての査定を自動化して、ここでも契約手続きの迅速化を図った。
自動査定システムはホストシステムとして使用している「IBM z Systems」上にルールエンジンを配置して構築している。告知の判定と査定サポートのオンライン処理、新契約成立の際のバッチ処理で共通のルールを使用し、効率的なシステム運用に寄与している。
明治安田生命は、ルールエンジンを活用して新契約引き受け査定のプロセスを高度化したことで、より付加価値の高いサービスに向けてスタッフが集中できるようにする。今後も、訪れる超高齢社会やチャネルの多様化に適切に対応しながら、手続きルールの見直し、ITの積極的活用による顧客の利便性向上を目指すとしている。