デロイト トーマツ コンサルティングは4月4日、2016年のテクノロジやメディア、通信業界のグローバルトレンドから予見される合計17のトピックスを発表した。
17のトピックスは、以下の通り。
テクノロジ分野
- グラフェン:研究段階の素材、実を結ぶのは10年先か
- IT職の女性たち:教育の問題、教育にとどまらない問題
- ミレニアル後半世代は、PC不要派ではなく、むしろPC支持派
- タッチコマース:モバイルオンライン決済がスピーディーに
- コグニティブ(認知)技術:法人向けソフトウェアの高機能化を導く
メディア分野
- バーチャルリアリティ:10億ドル規模のニッチ市場
- モバイルゲーム:市場を牽引するが、収益性は小さい
- モバイル向け広告ブロッカー:インストールはわずか
- デジタルメディア時代における映画興行収入
- 米国テレビコンテンツ市場:縮小しつつも崩壊せず
- 欧州サッカー市場は300億ドル規模
- eスポーツ:市場規模に対する相反した見解
テレコミュニケーション(通信)分野
- 画像共有:兆を突破し、さらに増加中
- ギガビットインターネット時代の夜明け
- 中古スマートフォン:知られざる170億ドル市場
- データ通信オンリーユーザーの増加
- VoLTE/VoWiFiの回線容量、普及率、機能
テクノロジ分野で挙げられているグラフェンは、グラファイトを単離した原子1層分の薄さの2次元材料で、優れた高張力、柔軟性、電気伝導性、熱伝導性、光学特性を兼ね備えている。2016年のグラフェン素材の市場規模は1000万ドルから5000万ドルと予測されており、中長期的にはグラフェン電池、赤外線コンタクトレンズ、強化建設資材、グラフェンタッチスクリーン、グラフェン浄水システム、高機能ばんそうこうなどへの利用が考えられる。
また、2016年末までに、世界の法人向けソフトウェアメーカーの売上高上位100社のうち80社以上が、自社製品にコグニティブ技術を採用すると予測している。2020年までには、上位100社のうち約95社まで増加する可能性があるという。
メディア分野ではバーチャルリアリティが挙げられている。同市場は2016年に初めて10億ドル規模に到達すると予測されており、内訳は、ハードウェアが約7億ドル、残りがコンテンツとされている。
また、モバイルゲームは市場をけん引するが、収益性は小さいとしている。2016年にソフトウェアの売り上げでは、モバイルデバイス(スマートフォン、タブレット)が最大のゲームプラットフォームになると予測されるが、モバイルゲームの推定売上高は、前年比20%増の350億ドル。PCゲームは320億ドル、コンソールゲームは280億ドルだが、ゲーム1タイトルあたりの平均売上高にはプラットフォームごとに大きな違いがあり、コンソールゲームは480万ドル、PCゲームは290万ドル、それに対してモバイルゲームはわずか4万ドルと見込まれるという。
テレコミュニケーション(通信)分野のトピックの1つに挙げられる中古スマートフォンは、170億ドル市場とされている。2016年に消費者が売却または下取りに出す中古スマートフォンが約1億2000万台、1台あたり平均価格は140ドル、取引総額は170億ドルを超えると予測される。2015年の取引台数は8000万台、1台あたり平均価格は135ドル、取引総額は110億ドルであり、取引台数は前年比50%増加と予測される。中古スマートフォン市場の伸び率は、新品のスマートフォン市場全体の4~5倍と予想される。
また、ギガビット/秒インターネット接続の利用者は料金/サービス体系の拡充や価格低下により、2016年末までに1000万人と10倍に急増するとしている。うち約70%が住居用と予測され、長期的にみると、2020年にはギガビット/秒接続が可能なネットワークの利用者は世界中で約6億人に達し、家庭でのネットワーク利用者の大半になると予想されるという。