インターネットが誕生したとき、将来われわれの日々の生活を形作るまでに成長すると予想できた人は、おそらく1人もいなかったはずだ。今では世界のほぼすべての人間が、直接的にせよ間接的にせよ、何らかの形でインターネットの影響を受けている。
ベンチャーキャピタル企業Kleiner Perkins Caufield & ByersのパートナーであるMary Meeker氏は米国時間5月27日、「State of the Internet」(インターネットの現状)というプレゼンテーションを行い、インターネットの成長に関する重要なデータポイントをいくつか提示した。Meeker氏の「Internet Trends」(インターネットトレンド)レポートのプレゼンテーションは毎年発表されており、196枚のスライドで構成される2015年のプレゼンテーションは、Re/CodeのCode Conferenceで行われた。
このレポートはインターネットの成長から、重要なトレンド、インターネットが主要市場に及ぼす影響まで、さまざまなテーマを網羅している。同レポートを熟読する時間を取れそうにない読者のために、本記事ではMeeker氏のInternet Trendsのデータで最も重要な点を紹介する。

提供:Kleiner, Perkins, Caufield, and Byers
1. インターネットの成長
多くのソートリーダーは長らく、インターネットの成長は1995年から始まったと考えてきた。Meeker氏のレポートによると、1995年の世界のインターネットユーザー数は3500万人で、当時の世界人口の約0.6%だったという。
それから20年後の2014年、インターネットユーザー数は世界人口の39%に相当する28億人になった。内訳は、アジアが51%、欧州が19%、米国が10%、それ以外の地域が21%だ。インターネット利用の拡大と新規ユーザーの増加は今も堅調だが、過去数年に比べて減速している。

提供:Mary Meeker
携帯電話ユーザーの数も爆発的に増加しており、1995年の8000万人から、2014年には52億人まで拡大した。こうした急激な成長にもかかわらず、新規スマートフォン契約は今も好調だが、そのペースは鈍化している。モバイルデータトラフィックも全体的にやや減速しているが、モバイル動画トラフィックは2012年以降、ゆっくりと着実に増加している。その他の興味深い事実は、2008年以降、1日にデジタルメディアに費やされる時間が大幅に増えていることだ。この現象のほぼ唯一の要因は、スマートフォン利用である。
こうしたインターネット利用はすべて、インターネット企業の成長にも寄与している。インターネット企業上位15社の合計時価総額は、1995年は約168億ドルだったが、2014年には2兆4000億ドルになった。
インターネットの影響が最も大きかったのは消費者市場で、法人市場は第2位だ。これまでのところ、インターネットの影響が最も小さい分野は、医療と政府である。
2. 広告
オンラインベンチャーの多くは、広告だけで成り立っている。しかし、米国では、テレビ広告が依然としてオンライン広告に大きな差をつけている。テレビ利用は全体の37%、テレビ広告支出は41%と測定されている。