インターネットの利用時間は24%で、広告支出は23%だ。しかし、モバイルに費やされる時間も24%だが、広告支出はわずか8%である。つまり、機会は存在するが、その大部分を活用することができていない。Meeker氏はこれについて、米国における機会を250億ドルと試算している。
Meeker氏によると、インターネット広告に減速の兆しがみられるものの、モバイル広告の成長は堅調であり、モバイル利用時間とモバイル広告支出の不釣り合いは解消されつつあるようだという。
モバイル広告の成長に伴って、広告プラットフォームはモバイルへの適応を迫られ、新しいプラットフォームが採用されてきた。短編動画、カルーセル広告、購入ボタンは、モバイル広告の成長を支える技術革新のごく一部にすぎない。広告を縦長のスクリーンで見るユーザーが増えているため、広告主はその体験に合わせて最適化を行い、コンバージョンを高めていく必要があるだろう。

提供:Mary Meeker
3. 行動
エンタープライズ分野は、インターネットの成長から受けた影響が消費者市場に次いで2番に大きい分野だ。Meeker氏は、そうした影響によってビジネスの世界がどう変わったかを、Boxの創設者であるAaron Levie氏の以下のツイートを引用して暗に示した。
「従来のエンタープライズソフトウェアは、既存の作業を効率化するためのものだった。現在、ソフトウェアの機会とは、その作業自体を変えてしまうことだ」(Levie氏)
インターネットは、決済、通信、人事、採用、データ分析など、ビジネスのさまざまな側面を変えてきた。こうした作業への関与と理解がインターネットによって容易になったからだ。消費者にも、特に通信に関して影響があった。メッセージングアプリは、コミュニケーション手段の力学を変えており、そうした動きをWhatsAppとFacebook Messengerが世界で主導している。これにより、企業のアプリケーション開発方法も変化した。一部のツールでは、通知などの機能を組み込むことが必須になったからだ。
ユーザー生成コンテンツは、テキスト、音声、動画など、さまざまなメディアで増加している。一般的に、12~24歳のユーザーがプラットフォームやコンテンツのトレンドセッターと考えられており、その多くがモバイル使用とソーシャルメディアに大きな関心を寄せている。
このようにインターネットが新しいプラットフォームに拡大したことは、悲惨な結果ももたらした。近年はサイバーセキュリティのリスクが増大し、以前より複雑になっている。モバイル端末はこの脅威の主な原因の1つだ。こうした新しいリスクがあるにもかかわらず、エンタープライズにはセキュリティスキルのギャップがある、とMeeker氏は述べた。
4. 仕事
この数十年で、仕事と人間ほど変わったものはほとんどない。1980年~2000年に生まれたミレニアル世代は、2014年に労働人口で最も人数の多い世代になった。この世代の願望は、自分たちとともに育ったテクノロジを反映している。ミレニアル世代の労働者のうち、34%はオンラインでのコラボレーションを好み、45%は個人のスマートフォンを仕事で使いたいと考えている。41%は仕事で使うアプリケーションを自分のお金で購入して、ダウンロードする傾向がある。

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