生命保険ベンチャーのライフネット生命保険は、マーケティングオートメーション(MA)プラットフォームを新たに導入し、クロスチャネルマーケティングへの取り組みを開始、マーケティング施策の自動化と高度化を達成した。プラットフォームを提供したMarketoが4月25日、ユーザー事例として公表した。
ライフネット生命は2008年の開業時、顧客が自らインターネットで情報を収集し、比較検討した上で申込みまでを一気通貫するスタイルを想定していた。しかし、開業から時が経つとともに認知が拡大してきた結果、営業職員も支店も持たない同社にとって、ITに強くない顧客にも生命保険を提供するにはどうすればよいか、との新たな課題が生まれてきたという。
そこで2014年2月には、保険プランナーによる無料保険相談サービスをスタートさせた。このサービスでは当初、人力に依存した顧客フォローに力を入れていたが、1年ほど経って、明らかにインフラの未整備がボトルネックになっていることが見えてきたという。
今回、同社が顧客関係管理(CRM)で使っているSalesforceと連携して活用できるMAを、新たに導入することとした。選定に際しては、パーソナライズ機能、クロスチャネルマーケティングへの対応能力、そしてセキュリティ水準などを評価し、Marketoのエンゲージメントマーケティングプラットフォームの採用を決定。
これにより、クロスチャネルマーケティングの対応能力として、例えば「ウェブサイトから資料請求する」「メールを開封する」といった顧客の行動を可視化し、コールセンターの担当者によるアクションに反映することが可能になるという。ライフネット生命では今後、メールや電話、ウェブ、パンフレットの4種類を統合したクロスチャネルマーケティングを効率的に展開していくためにMarketoを活用していく。
ライフネット生命保険は、Marketo導入の結果、パーソナライズと自動化による効果が確認できたと説明。生命保険は、一般的に年齢が上がると保障内容が同じでも保険料が高くなるため、誕生日を控えた時期にメールで訴求することが効果的であるが、従来のシステムでは、配信日の直後に資料請求した顧客が配信対象に含まれないなどの問題があったという。導入により「毎日、該当する見込み顧客へのメールを自動的に送信する」などパーソナライズに基づくマーケティング施策を自動的に実行できるようになったとした。導入後は直近資料請求者へのアプローチ率が75%向上する効果が得られています。また、Marketoの使いやすさも高く評価している。マーケティング担当者の作業効率が向上したことで、マーケティング担当者が配信リストの作成といった作業から解放されて本来のマーケティングの企画立案にリソースを割けるようになり、施策数が半年で1.5倍と急増する効果があったとコメントしている