2月27日~7月2日に秩父宮ラグビー場で開催された「スーパーラグビー 日本チームサンウルブズ戦」5試合に参加した、計700人のボランティアスタッフの本人確認における多要素の電子認証と、端末認証したスマートフォンを利用した動態情報モニタリングによるボランティアの最適配置の実証実験の成果を発表した。ボランティアの受付時間をおよそ8割削減でき、参加ボランティアの満足度は96%にのぼったという。8月18日に発表された。
実証実験にはサイバートラスト、ソフトバンク・テクノロジー、NEC、ユビキタス、ワコムの5社が参加した。各社の担当領域と提供システムは以下の通り。
- サイバートラスト:動態情報モニタリング=端末認証と個人情報保護のための暗号化通信
- ソフトバンク・テクノロジー:動態情報モニタリング=データ解析
- NEC:本人の電子認証=ウォークスルー顔認証
- ユビキタス:動態情報モニタリング=動態情報モニタリングシステム
- ワコム:本人の電子認証:電子サイン認証
実証実験での各社の役割
実証実験の結果、顔認証と筆跡認証の両方を使った多要素の電子認証による本人確認によって、なりすましの防止に一定の効果があることが確認された。役割指示書を同時に発行でき、人手による受付、役割指示書の手渡しに比べ、受付時間をおよそ8割削減しているという。
スマートフォンを活用した動態情報モニタリングで混雑状況や休憩交代に応じた人員の最適配置をメールで指示し、混雑の緩和の実現と、これまでボランティア人数に応じて組織化やリーダーの配置が必要であった業務をフラットな組織で運営できたという。
これらのシステム化によるスムーズな運営で参加ボランティアの96%が満足というアンケート回答が得えられたと説明。各社は今後、複数認証システムの組み合わせ、動態情報システムのノウハウや分析結果を活用し、目視によらない本人確認、利用者への安全な誘導経路の案内などの機能を向上させ、安心安全でホスピタリティの高いスポーツイベントの運営支援システムとして拡充していくとしている。