日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows&デバイス本部 本部長 三上智子氏
日本マイクロソフトは5月から毎月10日を「Windows 10の日」と定め、Windows 10に関する最新情報を発信している。6月10日にも、Windows 10の利用状況や、法人顧客でのWindows 10の導入事例、取り組みを紹介する記者会見を開催した。
同社 業務執行役員 Windows&デバイス本部 本部長 三上智子氏は「Windows 10体験キャラバン」などキャンペーン施策が功を奏し、法人導入が好調であることをアピールした。今回報告された導入事例は、三井住友銀行、三重県松坂市役所の2つ。前者は同行の生産性を高めると同時にワークスタイル変革を起こすため、強い意気込みでスタートを切ろうとしている。
三井住友銀行はWindows 10導入に加えて、Office 365などのクラウドサービス、Windows 10 Mobileデバイスの導入も行っている。さらに、今後は三井住友ファイナンシャルグループ全体でのWindows 10導入も検討しているそうだ。
後者の三重県松坂市役所は、約1000台のWindows 10 PCの運用を開始している。現場からは、次のような2つのフィードバックを受けたという。1つ目は親しみのあるUI。それまでWindows 7 PCを使っていた同役所は、移行時のトラブルも少なく、役所内に設けたサポートへの連絡もほとんどなかったそうだ。2つ目は高い互換性。既存の業務アプリケーションも問題なく動作し、Windows 7からWindows 10の移行はスムーズだったという。
法人向けに検証情報を発信、中古PCの下取りも
「Windows 10の各種メリットを享受できる可能性を理解し、アグレッシブに選択する企業も増えてきた」と三上氏。海外と比較して、日本の法人顧客は検証結果など各種情報がそろわないと導入検討まで至らないケースが少なくない。そのため、日本マイクロソフトも積極的な情報の提供に力を入れていくという。
また、大塚商会やダイワボウ情報システム、ソフトバンクC&Sと協業し、Intel Core搭載デバイスを5月30日から27月29日までに購入する法人に対して、古いPCを最大1万5000円で下取りするキャンペーンも実施する。
教育機関に対しても、Windows 10普及のための取り込みを行っている。同日、教育機関での導入事例として、広島大学、甲南大学マネージメント創造学部の2例を紹介した。
広島大学は全生徒にノートPCの携帯を必須にしており、毎年学生が使用するPCを自分で選択する仕組みを採用している。実際に多くの学生がSurface Pro 4を選択し、大学の授業やカフェでの勉強に用いられているという。日本マイクロソフトは「Surfaceシリーズにおける2-in-1 PCのスタイリッシュさを評価していただいている」(三上氏)と導入結果に満足している。
甲南大学のマネージメント創造学部もSurface Pro 4を選択しているが、その理由として「大学からはWindows Helloのセキュリティを評価していただくと同時に、社会に出ても(WindowsやOfficeに慣れていることが)実践的なスキルになる」(三上氏)という点が大きいという。
さらに三上氏は、教育機関ではSurface Bookが意外なほど評価されていると説明した。「当社では(Surface Bookのターゲットが)エンジニア寄りと考えていたが、大学教授などの引き合いが強い」(三上氏)。筆者も取材先で著名な教授がSurface Bookを使っているシーンをよく見かけるが、思った以上に高いニーズがあるようだ。