「Fedora 24」がリリース--クラウド向け機能が充実

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2016-06-23 12:23

 オープンソース開発者に人気のLinuxディストリビューションの1つであり、Red Hatが支援するコミュニティーが開発している「Fedora」に、新バージョン「Fedora 24」がリリースされた。FedoraはLinuxデスクトップとして有名だが、今回の新リリースは、ここ数回のリリースと同じく、3つのエディション「Fedora 24 Cloud」、「Fedora 24 Server」、「Fedora 24 Workstation」の基盤となる、3つのベースパッケージからなっている。

Fedora 24
Fedora 24ではGNOME 3.20をデフォルトのデスクトップとして採用している。

 Fedora 24のリリースは1カ月近く遅れたが、3つのエディションすべてでglibc 2.23のコンパイラが使用されており、性能が向上したほか、POSIXとの互換性が改善され、GNU Compiler Collection(GCC)6が搭載された。すべてのパッケージは、GCC 6で再ビルドされている。これによって、コード最適化の水準がさらに改善され、すべてのエディションで性能が向上し、全体的な安定性も上がっている。

 この新FedoraはLinuxカーネル4.5.7をベースにしている。機能強化やバグ修正はすべてのエディションに施されているが、Fedora 24では、特にLinuxコンテナや「Kubernetes」などのオーケストレーション技術を活用しようとしている開発者向けの新しいツールや機能に重点が置かれている。

 以下では、各エディションについて見ていこう。

Fedora Cloud 24

 Fedora Cloud 24には、Fedora用の「OpenShift Origin」が追加された。このクラウド用ディストリビューションはKubernetesベースで、アプリケーション開発、配備の自動化、運用、コンテナ化されたアプリケーションのスケーリングのために最適化されている。

 Fedora Cloud 24は、コンテナ化されたDockerアプリケーションを実行するという目的のためだけに設計された軽量プラットフォーム「Fedora Atomic Host」の基盤でもある。このエディションには、パッケージに対する強化やバグ修正、新機能である「開発者モード」が追加されている。

 開発者モードでは、自動的にホストがダウンロードされ、「tmux」(ターミナル多重化セッション)を使って「Cockpit」が起動される。これによって、Fedora Atomic Hostの開発者用コンソールを簡単に使い始められるようになった。また、IPアドレスやrootパスワードなどの、重要なセッション情報を記録する機能も合理化された。

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