Haven OnDemandはクラウドサービスであり、面倒なハードウェア設定作業は不要だ。フリーミアムサービスとして提供され、1万回のAPIコール、1リソースユニットは無料。開発者は登録してすぐに使い始められる。事例として、PhilipsはHaven OnDemandを利用して、エンタープライズサーチアプリケーションを作成しているとのことだ。
3月に発表した商用版では、Microsoft Azureが土台となった。APIも拡充し、画像、予測分析、異常検知、オーディオファイルのインデックスなどを増やした。また、既存のAPIを組み合わせて新しいAPIを作る「コネクタ」機能も導入。
ファイルシステムと接続できるコネクタなどがあり、すべての公開ウェブサイトソースとの接続してインデックスを作成するなどのことも可能だという。APIは約60種あるが、これはコネクタとともにHPEが差別化要素としてとらえている部分だ。「IBMとAPIで対決して、勝てると確信している」とYoungjohns氏は述べた。
「Haven OnDemand」は60以上のAPIとコネクタを特徴とする。写真は音声認識のAPI画面
Choi氏はIBMがWatsonで公開しているAPI数をHaven OnDemandははるかに上回ることを指摘し、「数も違うし、機能の深さも違う」とする。一方で、「IBMが膨大な広告を展開してくれたおかげで、市場全体に対する関心が高まった」とも述べた。
「顧客はデータを収集しており、分析フレームワークもある。これを活用して新しいビジネスプロセスを作りたいと考えている」というYoungjohns氏。機械学習の普及を予言して、次のように語る。
「約5年もすれば、機械学習とディープラーニングはすべてのワークロードやアプリケーションに加わるだろう。機械学習は技術プラットフォームであり、顧客とエンゲージする部分と重複することはない」。一方で、機械学習やAIが人間に取って代わるものではないという見解も示し、「意思決定プロセスを増強するものであり、われわれはツールを得ることができる。人間の能力を強化するものになるだろう」とした。