FinTech企業と大手金融機関の協調を支援していく:金融庁の油布氏

小林哲雄 2016年06月30日 18時27分

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金融庁 総務企画局 参事官 油布志行氏

 6月24日、日経FinTech主催の読者限定イベント「Nikkei FinTech Conference 2016」が開催された。基調講演では、金融庁の油布志行氏が「FinTech推進のための未来の一手」と題してプレゼンテーションした。

 金融庁は、2015年9月に公表した金融行政方針で初めてFinTechへの対応を重要施策に掲げた。その反響は予想を超えて大きく、「正直、ここまで好意的な反響が多いとは思わなかった。金融庁としてのスタンスを示したことがFinTechの推進力になった」と油布氏。

 また、IT企業への出資規制を緩和する改正銀行法については「金融庁として法的権限を持っていないところの規制緩和はできないが、国内スタートアップのエグジットのオプションとして、(IPO以外に)M&Aが加わることで、FinTechスタートアップの支援になる」(油布氏)とする。加えて、この規制緩和によって、「金融庁がFinTechという異物を敵視していないことを(スタートアップ企業に)理解され、歓迎されたのではないか」(油布氏)

スタートアップの懸念は開業規制

 金融庁では、2015年12月からFinTechスタートアップ企業向けに問い合わせ用のサポートデスクを設置している。問い合わせ対応者を1~2人置き、相談に応じて担当者へ繋げる体制を取っており、開設からコンスタントに2日に1件程度の相談が来ているという(詳しくは7月にレポートを出すそうだ)。

 具体的な相談内容に関しては「アイディアがビジネスになるので答えられない」としながらも、ほとんどが実際のビジネスプランに基づいたまともな内容で、心配の多くは開業に際して許可や登録が必要かどうかという開業規制に対するものだという。金融庁としてもスピード感を重視しており、おおむね5~7日程度で回答するようにしているそうだ。

 油布氏は、FinTechへの支援に関しては「われわれができることをやるにつきる」と述べ、決済高度化への官民推進として日本銀行協会にブロックチェーンの取りまとめ書を出すように働きかけたりと、プライベートセクター側が積極的に動けるような取り組みをしていくという方針を示した。政府でFinTech企業に補助金を出すところまでは踏み込まないという。かつて米国金融大手がFinTechを敵視していたが、今は協働の流れになっているように、金融庁としても、国内大手金融機関とFinTech企業が協働で顧客競争力を高める動きを加速していきたいとした。

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