Edgeと拡張機能
Windows 10が既定で搭載する新ブラウザ「Microsoft Edge」は、プレビュー版への実装が遅れ、正式リリース後も競合ブラウザの後塵を拝している。
バージョン1607における最大のニュースは、言うまでもなく、Edgeでの拡張機能のサポートである。しかしプレビュー版の段階では、未だ前途は多難であり、正常動作する拡張機能は一部に限られている。筆者の周囲で最も待ち望まれていたパスワード管理用の拡張機能「LastPass」は、その期待に応えた。一方、広告ブロック用の拡張機能「AdBlock」と「AdBlock Plus」は、競合ブラウザ用のバージョンと同じ長所と短所を引き継いでいる。
現在のビルドに至るまで、Edgeは軽量で高速なブラウザとして開発が進められている。実際のところ、MicrosoftはGoogleの「Chrome」を手本としてEdgeを開発しているものと思われる。現にEdgeは、拡張機能の形式までChromeのそれに似ている。
しかし、EdgeがChromeからブラウザのシェアを奪うためには、こうした一連の改善で拡張機能を開発するコミュニティーを活性化し、Edgeの完成度をChromeに比肩しうるまでに高め、Chromeユーザーの目をEdgeに向けさせる必要がある。
Windows Ink
2002年にタブレット端末が誕生して以来、Microsoftはペンとインクのデジタル化を目指してきたが、その挑戦は失敗の連続だった。しかし同社はこの分野における再起を図るべく、バージョン1607に「Windows Ink」と名付けた新機能を搭載する。
通知領域のペンのアイコンをクリックすると、ペン入力に対応した「Windows Ink Workspace」が起動する。しかしこのアプリは、少し試すぶんには楽しいものの、バージョン1.0に相応の未完成な印象は否めない。
「Surface Pro」と「Surface Book」にはペンが標準で付属しており、Microsoftはこのペンが極めて優れた入力デバイスだという主張をいまだに捨てていない。しかしその主張が現実となるかどうかは、現時点では甚だ未知数だ。
なおAnniversary Updateでは、本記事で紹介したもの以外にも数多くの新機能が追加される。
最後に良いニュースをお知らせしておく。筆者が多種多様なPC環境でテストした範囲では、Anniversary Updateは信頼性の高い安定したバージョンだという感触が得られている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。