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新着記事集:「負荷分散」

“見える化”だけではもったいない--BIは「仮説→検証」を回すのが重要

齋藤公二 (インサイト)

2016-07-15 08:30

 ビジネスインテリジェンス(BI)セミナー「セルフサービスな時代だからこそガバナンスが必要 IT部門の立ち位置が変わるBI新世代」が開催された。ビジネスユーザー自身がBIを活用する動きが進む一方、新たな課題も浮かんできた。対応のあり方をめぐってさまざまな議論が展開された。基調講演と特別講演の模様をまとめる。

分析を生かすための意識改革を

 基調講演には、ITRのプリンシパル・アナリスト生熊清司氏が登壇。「変化するBI製品とデータ活用のためのキーポイント」と題してセルフサービスBIの現状や課題、次世代BIへの展望を解説した。

ITR プリンシパル・アナリスト 生熊清司氏
ITR プリンシパル・アナリスト 生熊清司氏

 「多くの企業がデータをビジネスに活用しようと、DWH(データウェアハウス)やBIなどの施策を実施してきました。ただ、自信を持ってデータをビジネスに有効活用できている企業は必ずしも多くはありません。企業がデータを有効活用するためには、満たすべきいくつかの要件があります」(生熊氏)

 生熊氏は、セルフサービスBIの現状をITRが実施した各種調査から解説した。たとえば「国内IT投資動向調査」「ITR Market View:DBMS/BI市場」の結果報告書を見ると、BI市場は投資意欲が高く、成長市場であることがわかる。このうちセルフサービスBI製品はBI製品の中でも大きな伸びを見せており、分析の主力に位置付けられるようになってきたという。

 とはいえ、データ分析の結果をビジネスの競争力として生かしきれている企業は少数派だ。その要因の1つとして、生熊氏は取り組みが「見える化」にとどまり、その先のなぜ起こったか、これから何が起こるか、何をすべきかという、本来的な「分析」までつながっていないからだと指摘した。

 「結局、本格的な分析に至らず『きれいなチャートができた』という程度で終わってしまう。背景として、分析以前の前提となる「ビジネスの目的」が明確でない事案も多いのです。投資に対するリターンをはかるためにも、ビジネスの目的は、はっきりしている必要があります」(同氏)

 ビジネスの目的をはっきりさせると、利用者によってデータ活用方法が異なることもわかってくるという。経営層、マネジメント層、ワーカー層、企画専門層では、それぞれ異なる分析アプローチが必要になる。目的に応じて異なるアプローチを利用することがセルフサービスBI利用の大きなポイントだ。

キリン CSV本部 デジタルマーケティング部 ダイレクト事業担当 主務 丹羽靖彦氏
キリン CSV本部 デジタルマーケティング部 ダイレクト事業担当 主務 丹羽靖彦氏
キリン CSV本部 デジタルマーケティング部 ダイレクト事業担当 戸川健司氏
キリン CSV本部 デジタルマーケティング部 ダイレクト事業担当 戸川健司氏

 簡単な操作性やビジュアル機能の良し悪しだけでは、データ量の増大や複雑なニーズへの対応は難しい。そこで、今後セルフサービスBIに必要になってくる点として、全社レベルの利用に耐えられる性能と機能、実装と管理の簡便性、データの統合的な管理、セキュリティとガバナンスの確保などがあると説明した。

 生熊氏は「データ分析力とは、データ環境、リテラシー、ツール環境の3つがそろって成り立つものです。それを下支えするのが企業風土です。データからファクトを見つけ、ファクトに基づいて意思を決定するという意識改革を進めていく必要があります」と訴えた。

今何が起こっているかを素早くつかむ

 特別講演には、実際にBI製品を活用する担当者を交えたパネルディスカッションが開催された。パネラーは、キリンのCSV本部デジタルマーケティング部ダイレクト事業担当主務の丹羽靖彦氏とダイレクト事業担当の戸川健司氏、セガホールディングスのIT本部CRMソリューション企画推進部副部長の小島雄一郎氏の3人。

 キリンは、2014年にデジタルマーケティング部を立ち上げ、オンラインショップ「DRINX(ドリンクス)」で、顧客に直接販売するチャネルを展開。顧客との直接的なコミュニケーションとファンづくりに取り組んでいる。同サイトの運営を担当しているのが丹羽氏と戸川氏だ。

 セガは、ゲームなどのサービスごとに個別展開していた会員システムを2012年に統合し、「SEGA ID」として共通化した。そのプロジェクト起案から現在まで、各作業の主軸として深く携わってきたのが小島氏だ。

 どんな分析をしているかについて、データアナリストの役割を担っている戸川氏は「複雑なモデルを使った分析と日々の売り上げレポートを見る分析があります。中心になるのは売り上げレポートやウェブサイトのアクセスログなどの分析です」と話した。

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