エンタープライズデータを文脈化してインテリジェンスを
「Infor IoT」も発表された。センサの価格が下がり、ネットに接続できるデバイスとセンサの数が急増している。企業にとっては情報収集と効率化のチャンスとなる。これを「コネクテッドインテリジェンス」と同社プレジデントのDuncan Angove氏は呼んだ。
Infor IoTを説明した最高執行責任者(COO)のPam Murphy氏は、(1)コネクテッドインテリジェンスの実現、(2)拡張性のあるプラットフォーム――の2つが目標だとした。「データの収集や伝送は簡単だが、そのデータを業務アプリケーションが活用してビジネス上の成果を出す部分は難しい」とMurphy氏、(1)と(2)でこれを可能にしていく。
Infor COO Pam Murphy氏
具体的には、デバイスから安全にデータを収集し、IoTとアプリケーション側のエンタープライズデータを文脈化することでインテリジェンスをもたらすという。たとえば天気や交通などの情報とエンタープライズのデータを組み合わせることで、予測メンテナンスが可能になったり、より迅速で効率のよいヘルスケアが実現したりするとした。
Murphy氏はInfor IoTの特徴として、地理情報システム(Geographic Information System:GIS)などの業界固有の技術や要件をサポートすること、セキュリティと規制遵守をあげる。また、複数のクラウドやPtoPのための相互運用性も確保していくという。
Infor IoTは既存のCloudSuiteをIoTに対応させ、Commerce Cloud、ソーシャルのMing.leなどを組み合わせるものとなるが、正式な製品として提供については、明らかにしていない。
Infor IoTのアーキテクチャ。ミドルウェア「ION」で業界別機能と接続する
資産管理がIoTに対応するとより細かに配送状況を追跡でき、天気情報にあわせてルートを変更するなどが可能になる
Inforumではこのほか、CloudSuiteクラウドの新モジュールとして「Infor CloudSuite CX」も発表した。次世代のカスタマー体験を構築できるもので、マーケティングやセールスなどフロントエンドを強化するものとなる。