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調査

製造業はAIなどデジタル技術活用に遅れ--アクセンチュア

NO BUDGET

2016-07-29 07:15

 アクセンチュアは7月26日、調査レポート「Machine dreams: Making the Most of the Connected Industrial Workforce」を発行した。アジア、欧州、米国の企業でコネクテッド・インダストリアル・ワークフォース(人間の作業員が機械やAIと緊密に統合・連携する製造体制)の戦略策定に携わる500人以上の上級役職者を対象として2015年12月に行ったインタビュー調査をもとにまとめたもの。

 コネクテッド・インダストリアル・ワークフォースの進化過程において製造や生産の現場では急速な変化が起こっており、さまざまなモバイル端末や安全技術、追跡技術などをアナリティクスと組み合わせることで、企業は労働力の強化を図ろうとしているという。

 また、自動車メーカーと産業機器メーカーの多くは自社の生産性向上の取り組みの一環としてAIや関連する機器などに投資する計画がある一方で、投資効果を得るために必要な対策を実施できていないことが判明したとのこと。


 主な調査結果は以下の通り。

自動車業界がコネクテッド・インダストリアル・ワークフォースをけん引

 調査によると、自動車メーカーや産業機器メーカーの大半(94%)が、コネクテッド・インダストリアル・ワークフォースの形成を自社のビジネス戦略の一環と捉えていることが判明。全調査対象者の回答を平均すると、今後5年間でのコネクテッド・インダストリアル・ワークフォース関連技術への投資は、最大で自社の研究開発費の4分の1を占める可能性があり、業界ごとに集計すると自動車業界で1810億ユーロ、産業機器業界で390億ユーロに達する。

 アクセンチュアは、特に自動車業界がコネクテッド・インダストリアル・ワークフォースをけん引すると考えており、年商500億ユーロの自動車メーカーが、コネクテッド・インダストリアル・ワークフォースを構築することで2020年までに最大5億ユーロの追加収益が上積みされると推定した。

 この追加収益には、研究開発によって採算性が向上して生まれる5000万ユーロ、製造・供給面の採算性向上による4億1500万ユーロ、アフターセールスによる利益の拡大から生まれる3000万ユーロが含まれている。

コネクテッド・インダストリアル・ワークフォースの大きな課題は人材不足

 メーカー各社はコネクテッド・インダストリアル・ワークフォースがもたらすインパクトの大きさを確信している一方、「コネクテッド・インダストリアル・ワークフォースによって得られる潜在的な価値を引き出すための対策を実行している」と答えた回答者は、全体の4分の1以下(22%)にとどまっている。85%の回答者が「自社はデジタル領域におけるリーダー企業ではなく、後発企業である」と考えており、ビジネスの競争優位の確立など本来の価値を享受できない可能性も浮かび上がってきた。

 コネクテッド・インダストリアル・ワークフォースの価値を最大化するための課題の1つとなる関連テクノロジについても、回答者の76%がデータの脆弱性によるリスクを「中~高レベル」と見ており、72%がシステムの複雑さやシステム関連の脆弱性によるリスクを「中~高レベル」と見ている。

 さらに、3分の2以上(70%)の回答者が「スキルを持った従業員の不足が『中~高レベル』のリスクになり得る」と考えており、こうした人材に関する課題もコネクテッド・インダストリアル・ワークフォースの戦略の成功可否を左右する可能性があることを示唆しているとした。

テクノロジ面で注目されるのは協調型ロボットやARデバイス

 生産性向上のためにテクノロジを活用しようとしている企業のうち、自動車メーカーと自動車サプライヤーが、協調型ロボットと無人搬送車、ARデバイスに最も高い関心を示した。本調査における回答者の大多数(85%)は、「製造分野におけるテクノロジーは、人間が主体のものから、人間と機械の両方が主体のものに進化する」と考えており、すでに多数の企業では労働力強化のための投資に注力し始めている。

 こうした企業では工場や倉庫で資材を運搬するモバイルロボットの無人搬送機などに対して既に多くの予算を投じており、今後も継続的に投資を行うことが見込まれる。また、こうした企業では、人間との協調型ロボット(cobot)だけではなく、同時にスマートグラスやスマートヘルメットといった拡張現実(AR)デバイスへの投資も、今後5年間で増加させていく計画を持っている。

 一方、コネクテッド・ワークフォース・テクノロジへの妥当な研究開発投資額について、国による違いも見られた。例えば米国では、コネクテッド・インダストリアル・ワークフォースに対する投資を研究開発費の40%と想定しており、調査対象国の中で最も高い結果となった。次いで高いのが中国で、研究開発費の23%となった。逆に最も低かったのが日本で、17%程度にとどまる。ドイツとフランスはそれぞれ20%と19%だった。

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