PwC、FinTech企業と金融機関つなぐ「フィンテック&イノベーション室」

NO BUDGET

2016-08-04 11:30

 PwC Japanグループは8月1日、「フィンテック&イノベーション室」を設置したと発表した。フィンテック企業と金融機関との連携を含めた、戦略策定、ビジネスモデル構築から実装までのコンサルティングサービスを提供する。

 両者の提携・合併をサポートするアドバイザリサービス、提携・合併する上での課題であるITセキュリティや規制対応、業務プロセスの統合のサポートや各種保証業務を含めたアシュアランスサービス、ならびに税務・法務面での支援を、ワンストップで提供するという。当初の人員は国内約40人、今後3年間で4倍の増員を計画している。

 PwCが実施した調査「グローバルフィンテックレポート」によると、今後5年間で最も破壊的イノベーションが進む金融サービスセクターとして、「個人向け銀行業」と「資金振替・決済サービス」が挙げられており、その他のあらゆる金融サービス分野においてもイノベーションが大きな影響を与えると予測されている。また、同調査によると、金融機関は自社のビジネスの約4分の1がフィンテックの脅威にさらされると考えているという。


フィンテックによる破壊の領域

 こうした状況に対し、フィンテック&イノベーション室では、ブロックチェーンに代表されるテクノロジを活用し、ビジネスモデルの変革を目指す金融機関、およびフィンテックをビジネスチャンスととらえる企業に対し、戦略立案から実行および保証業務を含めた各課題への対応のサポートまで幅広く支援を行っていくとしている。

 室長に就任した2人は、以下のように語っている。

 「バリューチェーンの大変革が進む中、金融機関はフィンテックを適切に理解し、取り込み、自社のビジネスモデルを再構築していくことが不可欠」(PwCコンサルティング合同会社 パートナー 田中玲氏)

 「フィンテック企業と既存金融機関が提携・合併する上で、ITセキュリティや規制、業務プロセスの違いなどが課題であり、PwCの知見を結集し、適切な対応をサポートしていきたい」(PwCあらた有限責任監査法人 パートナー 鈴木智佳子氏)

 フィンテック&イノベーション室のサービスの特徴は以下の通り。

  • フィンテックに関わる戦略策定、ビジネスモデル構築から実装、各種保証業務までワンストップでのサービスを提供
  • PwCのダイナミックな戦略コンサルティングプラットフォーム「DeNovo」を活用。国内外50人超の専門部隊が国内外からの情報を整理し、フィンテック関連で実際に活動している企業とそのトレンドを見極め、業界全体に影響を及ぼす可能性を分析
  • ステークホルダー間でのブレインストーミングやディスカッションを通じた計画立案を主目的とした「イノベーション・ディスカバリー・ワークショップ」を計画、実行
  • ブロックチェーンの確実な運用開始に向け保証業務を含めて支援する「Blockchain Go Live Assurance(BGLA)」などフィンテックビジネスにおけるシステムリスク分析支援、システムリスク管理の高度化支援、導入フェーズにおけるリスク評価/定着化支援

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