Facebookは米国時間8月30日、Open Compute Project(OCP)規格に基づくハードウェア上でソフトウェアベンダーが動作テストを実施できるよう、カリフォルニア州メンローパークの同社本社に検証施設を設けたと発表した。これにより、OCP仕様のハードウェアを中小ベンダーにとってより魅力あるものにするのが狙いだ。
FacebookのMichael Liberte氏は同社ブログへの投稿で「われわれは、オフザシェルフかオープンソースかを問わず、自らのソフトウェアソリューションを検証したいと考えている、あらゆる種類のソフトウェアプロバイダーを歓迎する。オープンソースハードウェア上で商用ソフトウェアを稼働させるという業界ニーズが存在している。そしてこの新施設は、ソフトウェアと最新のOCPソリューションの互換性を保証するために利用できる。われわれは今後、この施設を拡張し、他のOCPメンバーのハードウェアソリューションも含めたいと考えている」と述べている。
OCPがハードウェアやベンダー、顧客を取り巻く議論に大きな影響を与えたことは疑う余地がない。例えばHewlett-Packard(HP)は2015年にホワイトボックス製品を発表しており、Cisco Systemsの組織再編はオープンなハードウェアやソフトウェアへのシフトが必要だという認識のあらわれと言える。
このような状況でも、Liberte氏はオープンソースハードウェアへのシフトという戦略が一部の企業にとっては難題であり、カスタマイズされたオープンソースハードウェア上で商用ソフトウェアソリューションが動作するという点に懐疑的な人々もいると認めている。
同氏は「コミュニティーは、採用を検討しているハードウェアとソフトウェアが互換性を有しているかどうかを判断するための体系的な方法を必要としている。というのも、こういったハードウェアやソフトウェアはたいていの場合、連携して開発されているわけではなく、類似のワークロードを手がける同一企業によって開発されているわけでもないためだ」と述べている。
CanonicalとRed Hatは既に、デュアルソケットの「Leopard」サーバと、「Honey Badger」ストレージ筐体、「Knox」JBOD(Just Bunch Of Disks)という、Facebookの提供する3種類のオープンソースハードウェアコンポーネント上での自社ソフトウェアの動作検証を終えている。Liberte氏は「これら3つのコンポーネントすべてにおいて、ほとんどすべてのソフトウェアパッケージがそのままの状態で動作した」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。