Salesforce.comの最高経営責任者(CEO)Marc Benioff氏は、ソフトウェアやクラウドサービスのさまざまなところで、顧客に意識させることなく人工知能(AI)テクノロジを活用していくべきだと確信している。本記事では、同社の大規模AIイニシアティブ「Salesforce Einstein」を紹介しよう。
Benioff氏は2017会計年度第2四半期決算発表の場で、同社のAIに対する取り組みであるEinsteinについて触れた。これは実質的に、サンフランシスコで10月に開催を予定している年次カンファレンス「Dreamforce」における一大テーマの予告だと言える。
Einsteinとは何だろうか?Einsteinは本質的に、同社の独自テクノロジと、買収によって得たテクノロジを組み合わせたものだ。その目標は、大企業だけでなく中小企業も視野に入れたAIの大衆化だ。Benioff氏は決算発表の電話会議で以下のように述べている。
企業はソフトウェアがインテリジェントであり、スマートであることを望むとともに、機械学習や深層学習、機械知性が組み込まれるようになることを望んでいる。(中略)当社は業界で最高のAIプラットフォームを提供するようになると確信している。
(Einsteinを目にすれば、それが)『Watson』といった他社のAIプラットフォームと同等か、それ以上の能力を有していると分かるはずだ。
Benioff氏が高い目標を掲げるのはいつものことだ。現時点で明らかなのは、EinsteinとIBMのWatsonはともに、買収によって得たテクノロジと自社で培ったテクノロジを組み合わせて築き上げられたプラットフォームだという点だ。
2017会計年度通期での売上高のガイダンスを82億7500万~83億2500万ドルとしたSalesforce.comは、RelateIQやImplisit、PredictionIO、Tempoといった企業を買収してきている。Benioff氏は「われわれはこれらすべてを組み合わせ、素晴らしいプラットフォームを作り上げることができた。AIと、われわれの業界における次の大きな波となるAIの重要な側面に注力した結果、この驚くべきEinsteinプラットフォームを作り上げた機械学習チームは175人を超えるデータ科学者を擁するまでになった」と述べている。
次に何が起きるのかは分かるはずだ。「Sales Cloud Einstein」や「Service Cloud Einstein」「Marketing Cloud Einstein」「Analytics Cloud Einstein」といった製品が登場するだろう。同社の製品すべてにEinsteinが組み込まれるようになるはずだ。
提供:Salesforce
どうやら同社はEinsteinをさまざまなクラウド製品のオプションとする計画のようだ。
確実に言えることは、同社のDreamforceイベントでは、Einsteinのお披露目やデモが中心になるという点だ。また、Einsteinの売り込みにもかなりの時間が割かれるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。