ランサムウェアに感染した企業の多くが、暗号化されたデータの重要性や、身代金を支払う方がコストが低いなどのさまざまな理由で、サイバー犯罪者の要求に屈している。
しかし一部の企業は、サイバー犯罪者は信用できないという教訓を身をもって学んでいる。多くの事例では、ファイルを取り戻すために身代金を支払ったにも関わらず、データを取り戻せていない。
ファイルを暗号化する悪質なソフトウェアであるランサムウェアを使ったサイバー攻撃は、過去1年間で急増しており、著名な組織が「Locky」の標的となったことでも分かるとおり、今やランサムウェアはサイバーセキュリティに対する最大の脅威となっている。Trend Microが発表した、ランサムウェアに対する企業の対応に関する調査結果は、この事態を受けたものだ。
ランサムウェアの被害に遭っていない企業の4分の3は、仮に感染しても攻撃者の要求には応じないと回答しているが、実際にランサムウェアに感染した企業ではトーンは異なり、被害を受けた企業の3分の2が身代金を支払っている。
企業は、感染したデータを失った場合の影響を恐れて身代金の要求に応じている。37%の企業は、データが失われた場合に科せられる罰金について心配しているのに加え、密かに身代金を支払えば、セキュリティ侵害を受けたことを公表せずに済む可能性があることも、支払いの一因になっているかもしれない。
ほかにも、暗号化されたデータの機密度が極めて高い場合があり、身代金を支払った企業の3分の1は、これを理由として要求に応じている。また、ほぼ同数の企業が、身代金のコストは十分に低く、支払わなかった場合に起きる問題を避けるための手段として正当化できると考えている。
CLOUDSEC Londonで公表されたTrend Microの調査結果によれば、英国で要求された身代金の平均金額は540ポンドだが(ただし通常はビットコインで支払うよう要求される)、20%のケースでは1000ポンド以上の身代金を要求されたという。
「Cerber」のようなランサムウェアへの感染は企業にとってますます深刻な問題となっている。
提供:Check Point