野村證券(中央区)は、請求書業務をクラウド化することで外部業者や取引先への支払い処理プロセスを改善した。紙文書を中心とした従来プロセスの排除を進めている。
支払い処理についてはこれまでもさまざまな効率化に取り組んできた。最近では、神奈川県の事務センターに請求書を集めて読み取り、その情報を中国に送って入力することで費用削減を図っている。この方法でも請求書の輸送や読み取り、入力にかかる費用は課題として残り続けていた。
こうした課題を解決するために導入されたのが、インフォマートの電子請求書サービス「BtoBプラットフォーム請求書」だ。請求書の受け取り側と発行側の双方に導入して利用するもので、請求業務に関わる時間の短縮と費用の削減、生産性の向上を実現する。利便性や汎用性の高さが評価された。
紙の請求書を減らして費用を大幅削減
システムの稼働後は、約半年で約2万5000枚の紙の請求書を減らし、数千万円の費用を削減した。利用の拡大に伴ってさらなる削減効果が期待できる。
また、グループ会社間での請求書のやり取りを迅速化し、グループ全体で同じ瞬間に同じ品質で会計処理していることを一度に把握できるため、取引状況が目に見えるようになった。グループ会社間で異なる会計システムを使っていても、BtoBプラットフォーム請求書を用いて会計システムを連携させることで、グループ間の会計処理業務をスムーズに進められるようにした。
さらに、自動仕訳機能によって入力内容の正確性を担保し、会計情報の適正性を確保している。これにより経費分析の精度が向上し、経営陣へ迅速かつ正確に報告を上げられるようになった。
野村証券では、今後も段階的に社内やグループ会社へと利用を拡大していくことで、さらなる請求書の電子化を進めていく。取引先の導入も推進拡大し、ワークフローの効率化を進めていく計画だ。