富士通、ハイブリッド環境向け販売・会計システム「GLOVIA iZ」を提供

NO BUDGET

2016-10-03 12:12

 富士通および富士通マーケティングは9月30日、統合業務ソリューション「GLOVIA」の新たなシリーズとして「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA iZ(グロービア アイズ)」(以下、GLOVIA iZ)を11月から順次提供すると発表した。販売価格および販売時期は、「GLOVIA iZ 販売管理」が11月販売開始で564万円から、「GLOVIA iZ 会計」が12月販売開始で135万円から、「GLOVIA iZ 人事給与」が12月販売開始で178万円から(いずれも税別。導入支援費用・カスタマイズ費用・サポート費用は個別見積)。また経営管理と生産管理を2017年6月に提供開始予定。販売目標は今後3年間で3,000本(販売管理、会計、人事給与の合計)。


GLOVIA iZの位置づけ

 ERP分野では近年、経営に直結するシステム基盤構築という本質的なニーズの高まりが市場活性化を後押ししている。また、この分野はオンプレミス主体の領域だったが、クラウド化がトレンドとなってきたことに加えて、最新技術を活用したシステムやサービスによる業務改革のニーズも依然として多くある。今回のGLOVIA iZシリーズは、以上のような市場動向を捉え、オンプレミスとクラウドの混在環境下でもERPとして経営基盤を構築でき、ERPを中心として外部システムやサービスと連携できる統合業務ソリューションとして開発したものという。

 富士通ではこれまで、GLOVIAにおいて民需企業を中心に「GLOVIA SUMMIT」「GLOVIA smart」「GLOVIA きらら」の3シリーズを展開し、事業規模や課題に合わせて提供してきた。今回のGLOVIA iZは、GLOVIA smartを業種特有の業務に対応する機能を備えた業種特化型ソリューションシリーズとして再定義し、各業種に共通する会計、人事給与、販売管理、生産管理に経営管理を加えた5つの構成で、汎用性を向上した業種共通ソリューションとして展開していく。経営管理と販売管理を新規開発し、会計、人事給与、生産管理は、GLOVIA smartの業務機能を踏襲しつつ機能強化を図った。

 またGLOVIA iZは、データベース、マスタ、ユーザーインターフェースを統一させた共通システム基盤に加え、GLOVIA きららと同じ開発基盤で構築しており、顧客ニーズに合わせてカスタマイズした資産をシステムのバーションアップ時に継承することが可能という。

 GLOVIA iZシリーズは様々な業種で利用可能な新しい統合業務ソリューションとなっており、新機能「ファーストビュー」や富士通独自のコミュニケーション機能の搭載により、利用者は役職や担務ごとに必要となる情報を素早く確認し、利用者間の的確な情報伝達が可能になるという。また、クラウドやモバイルを組み合わせることで、新たなワークスタイルを実現。さらに統合データベースに蓄積された業務データを横断集計し、経営判断に直結するデータとして可視化することで、企業の成長スピードの向上に貢献する。

 GLOVIA iZの特徴は以下の通り。

  • 全社の情報を一元化し、良質な経営情報を可視化
  •  GLOVIA iZでは、会計、人事給与、販売管理、生産管理の業務データを統合データベースに蓄積し、役職や担務が異なる利用者が必要な情報を素早く確認できるなど、業務スピードの向上を支援。

     経営管理では、経営に必要な情報を標準化したテンプレートを搭載し、統合データベースに保存された各業務のデータを組み合わせ、経営判断に直結するデータとして可視化する。

     新機能のファーストビューにより、利用者は画面をセルフカスタマイズでき、表示される数値情報やグラフをクリックすると対象となる機能が起動し、スムーズに業務を開始できる。

  • コミュニケーション機能を利用し、ワークスタイルを変革
  •  従来のERPでは「コミュニケーションツールと業務システムの分断」が業務を煩雑にする原因となっていたのに対し、GLOVIA iZでは、富士通独自のコミュニケーション機能により日常業務で行われる指示や報告、状況確認などを自動化し、新たなワークスタイルを実現。例えば、あらかじめ設定された判断ルールに基づき、上司への承認申請、他部門への作業指示や進捗状況などを自動で通知することで、利用者間の的確な情報伝達を行うことが可能。

     また懸案、要件、作業指示など登録されたタスクと業務データを関連付けて管理できる仕組みにより、業務の進捗状況を可視化するほか、モバイルの利用により場所や時間の制約を受けずに、データや進捗の確認、申請の承認などの業務を行うことができる。

  • オンプレミスとクラウドを最適化し、ハイブリッドでの環境構築を実現
  •  業務システムをオンプレミスとクラウドを混在して利用する企業が増加傾向にある一方で、業務の分断やシステム連携ができていない状況が問題視されているが、GLOVIA iZでは業務ソリューションごとにオンプレミスやクラウドを選択しつつも、共通システム基盤により業務とデータのスムーズな連携を実現する。

     この共通システム基盤は、異なる環境下でもデータの同期を取ることができる差分配信機能を搭載しており、マスタ統合などの自動化を実現。これにより、カスタマイズが多い販売管理や生産管理はオンプレミス、定常的な業務が主となる経営管理、会計、人事給与はクラウドを採用するといったハイブリッド環境でシステムを構築することが可能となる。また今後は、外部システムやサービスとの連携を強化し、様々なベンダーのクラウドサービスを使い分けるマルチクラウド環境を目指した機能を実装していく計画。

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