JS Foundationの下でJavaScriptのオープンソースプログラミングにおける新たな幕が開けようとしている。
The Linux Foundationは、英国のロンドンで現地時間10月17日から開催されている「O'Reilly Open Source Convention(OSCON)Europe」において、JS FoundationをThe Linux Foundationのプロジェクトとして発足させたと発表した。JS FoundationはJQuery Foundationが次世代に向けて姿を変えたものであり、JavaScriptを用いたアプリケーションとサーバサイドプロジェクトの普及を支援するという目標を掲げている。こういった目標に向け、高い品質の標準と長期的なサステナビリティを促進するベストプラクティスやポリシーの啓蒙(けいもう)活動を行っていく。
新たに発足したJS Foundationは、オープンソースのJavaScript開発グループの結束に向けて取り組んでいく。
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JS Foundationのエグゼクティブディレクターであり、JQuery Foundationの元責任者であるKris Borchers氏は基調講演で、「われわれはJQuery(普及しているJavaScriptのライブラリであり、小型かつ高機能で高速に動作するという特長を有している)以外にも、さまざまなものを長期にわたってサポートしてきている。そのことを反映するという点でもリブランディングは適切だ。また、これはオープンソースのJavaScript開発のよりどころを作り出そうという意思の表明にもなる」と語った。
JavaScriptは、ウェブアプリでよく用いられる高水準プログラミング言語だ。この言語の仕様自体はベンダーニュートラルなECMAScript言語仕様として標準化されているが、JavaScriptを使用するプログラムそのものは標準化されていない。JS Foundationはその部分に調和とよりどころをもたらそうとしている。
今日のJavaScript開発者は重要なアプリケーションの開発やテスト、配備において、急速な進歩を遂げながらも雑然としているさまざまなオープンソーステクノロジを使うようになってきている。JS Foundationは、主要なJavaScriptソリューションと関連テクノロジを幅広く採用し、継続的に開発していく力の源になることを目指している。
JS Foundationがこのような目標を掲げているのは、Azer Koçulu氏が引き起こしたような事件を繰り返さないようにするという理由もある。この事件は機嫌を損ねたJavaScript開発者が、Node.jsの動作に不可欠な小さなプログラムを削除したことに端を発している。これによって、大量のJavaScriptプログラムがビルド不可能な状態に陥ってしまったのだった。