Tech Summit

AIと人が協働する未来が目の前にある:Microsoft Tech Summit基調講演 - (page 2)

阿久津良和 羽野三千世 (編集部) 2016年11月02日 07時00分

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 「マネージ」については、紙のカタログ営業からタブレットを導入し、Windows Server 2016で構築したサーバ環境から必要なデータを取得するワークスタイルに移行したコロナを紹介。Windows Server 2016はローンチしたばかりのため、日本マイクロソフトも全面的に協力したという。さらに基盤保守の負荷を軽減する目的でクラウドへ移行したエイアンドティーも導入事例として紹介。Microsoft Azureとオンプレミス間でプライベート接続を作成するExpressRouteなどを積極的に導入し、保守コストを軽減しているという。

 ここで、日本マイクロソフト デベロッパーエバンジェリズム統括本部 オーディエンステクニカルエバンジェリズム部 エバンジェリスト 高添修氏と、同社 マイクロソフトテクノロジーセンター テクニカルアーキテクト 加藤寛二氏がデモを行い、Microsoft AzureとAzure Stackの違いや、Nano Serverを用いた展開スピードの速さをアピールした。

 続いて澤氏は、ビットアイル・エクイニクス 営業本部 セールスエンジニアリング部 テクニカルマネージャー 橋本利一氏をゲストに招き、同社が顧客に展開しているMicrosoft Operations Management Suite(OMS)を紹介した。「例えばSQLのチューニングは難しいが、OMSを導入することで顧客は技術者がいなくても知識ベースの提案を元に改善できる」と橋本氏。


ビットアイル・エクイニクス 営業本部 セールスエンジニアリング部 テクニカルマネージャー 橋本利一氏

 「イノベート」については、DevOps的アプローチが重要だと澤氏は強調した。ここで事例として紹介されたNECソリューションイノベーターズは、Visioを使用してValue Stream Mappingを作成し、DevOpsを実践することで、ソフトウェアリリースのリードタイムを9カ月から1週間に短縮したという。デモでは、Microsoft Developer Experience and Evangelism Technical Evangelistの小塚大介氏が、Visual Studio Team Services(VSTS)の可用性をアピールした。「カラダメディカ」を運用するエムティーアイのプロダクトマネージャー曰く、「バックログとSkypeのオンラインミーティングで日々の進捗管理を行っているが、VSTSならExcelと違ってメンバーも簡単に更新するため、管理しやすい」と述べている。

AIの民主化とスパコン化を推進

 基調講演ではさらなる切り口として、日本マイクロソフト 執行役員 最高技術責任者 榊原彰氏が「AI(人工知能)の民主化」を訴えた。榊原氏は、「エージェント」「アプリケーション」「サービス」「インフラストラクチャ」と4つのキーワードを並べて、AIが身近な存在になる近い将来を次のように紹介している。Windows 10が搭載するパーソナルアシスタントである「Cortana」は既に1億3300万人の利用者に120億件の回答を行い、人々の文脈を理解するため学習を続けているという。最終的にCortanaは世界を認識し、「利用者の予定を利用者以上に知ることになるかもしれない」(榊原氏)


日本マイクロソフト 執行役員 最高技術責任者 榊原彰氏

 アプリケーションについては、Office 365が「ビジネスのフィットネストラッカー」(榊原氏)のように動作する世界が目の前にあるという。「時間の使い方や、誰と共同作業を行うのかといった情報をOffice 365の分析機能であるOffice Delveを通じて理解し、Microsoft Graphで分析した情報を元に、利用者が次に行う業務内容を先回りして仕事の優先度を教えてくれれば、われわれはやるべき仕事に集中できる」と榊原氏。SaaS化したDynamics 365についても、顧客がビジネスの外にあるネットワークを連携させることで、多くのビジネスチャンスを生み出すとアピールした。

 サービスについては、Microsoftが長年にわたり、機械学習と高度な分析を続けた成果としてCortanaやCognitive Services、Bot Frameworkが開発された説明するが、まだゴールではない。「人とコンピュータをつなげる次世代インターフェースを研究し、会話インターフェースの実現を目指している」(榊原氏)という。その事例としてCognitive Toolkitを導入した三井住友銀行の事例を紹介。同行のシステムでは、顧客が曖昧な質問をした場合も、システムが繰り返し聞き返すことで正しい回答を導き出す。また、問題解決するために仮想アシスタントとして働く「インテリジェントエージェント」を推進し、次のアクションを決定する機械学習の手法・強化学習を通じて、今後のカスタマーサポートを支える重要な技術に発展させていくという。

 最後のインフラストラクチャについては、Microsoft Azureのデータセンターに組み込み始めたFPGA(Field Programmable Gate Array)を紹介した。FPGAは、ソフトウェア技術者が必要な仕組みを組み込んでチップセットをデザインできる。GPUと比較して消費電力も少ない。「Microsoft Azureで深層学習の計算を行う利用者はCPU/GPU/FPGAといった選択肢が与えられる。われわれは、AIの民主化に加えて、AIのスーパーコンピュータ化を推進していきたい。技術開発企業として透明性と説明責任に焦点をあて、人々の福祉に反しないポリシーを持って、将来的に人とコンピュータが共に問題を解決する世界を目指す」(榊原氏)

HoloLensを国内で発売

 基調講演の締めくくりには、同社 代表執行役 社長 平野拓也氏が登場し、MicrosoftがMR(複合現実)デバイスとして注力している「Microsoft HoloLens」を日本市場で発売することを発表した。2016年内中にはプレオーダーを開始し、発売日や価格は近日中に発表する。HoloLensは、3月にDevelopment Editionを出荷し、8月には法人向けとなるCommercial Suiteを出荷していた。「HoloLensで、これまでにない新しいデジタル経験、新しいワークスタイルの可能性を皆さんと一緒に広げていきたい」(平野氏)


日本マイクロソフト 代表執行役 社長 平野拓也氏

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