Oracleがクラウドベースのインターネットパフォーマンス管理とDNSサービスを手がけるDynを買収することで合意に達した。Oracleのクラウドコンピューティングソリューションを拡大して、Amazonなどのライバルに対抗することが狙いだ。
Oracleは米国時間11月21日、Dynの買収を発表するプレスリリースの中で、「Dynの最高クラスのDNSソリューションはOracleのクラウドコンピューティングプラットフォームを拡大し、エンタープライズ顧客にIaaSとPaaSのワンストップショップを提供する」と述べた。買収の金銭面での詳細は明らかにされていない。
Dynは3500以上のエンタープライズ顧客にサービスを提供しており、その中にはRedditやTwitter、Netflix、Pfizerといった著名企業も含まれる。
Dynは先月、大規模なDDos攻撃を受けて話題を呼んだ。
Oracleによると、今回の買収により、顧客はDynのトラフィックおよびパフォーマンスツール群にアクセスして、コストの最適化やウェブベースの収益の強化を図れるようになるという。
Oracleの製品開発担当プレジデントであるThomas Kurian氏は、「Oracleはこれまで、インターネットアプリケーションやクラウドサービスを構築および運営する企業向けにエンタープライズクラスのIaaSとPaaSを提供してきている。極めてスケーラブルでグローバルなDynのDNSは、非常に重要な中核的コンポーネントであり、当社のクラウドコンピューティングプラットフォームに拡張機能として追加するのは理にかなっている」と述べた。
9月にOracleの第2世代のIaaSデータセンターを発表した後、同社最高技術責任者(CTO)のLarry Ellison氏は、クラウド市場における「Amazonがリードする段階は終わる」と宣言した。
Amazon Web Services(AWS)や「Microsoft Azure」などの人気の高さを考えると、クラウド市場においてOracleはそれらのソリューションには及ばない部分がある。しかし、Dynのように既に顧客やプラットフォームを持つ企業に投資することで、Oracleがレガシーソフトウェアから離れて、正しい方向に進み始めることができる可能性はある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。