NECは、NECタイを通じて、タイの政府職員を対象にした「実践的サイバー防御演習」を実施したと12月14日に発表した。演習は、12月6日から9日の4日間、約50人の同国政府職員が参加し首都バンコクで行われた。
今回の演習を実施したタイ電子取引開発機構(ETDA)は、デジタル経済社会省傘下の組織で、政府系機関の情報システム管理者のインシデントハンドリング(被害の早期発見・検知ならびに対処)能力向上を目指している。演習では、ETDAの職員のほか、他の省庁職員も参加した。
バンコクでの実践的サイバー防御演習の様子
演習内容は、省庁内ネットワークを模した環境の下、情報セキュリティ事故の発生から回復までのインシデントハンドリングを学ぶ。技術的な対処だけでなく、各担当職員への指示やエスカレーション、関係機関との情報連携など被害拡大を防止するための組織的な対応についても学習する。
タイ政府は、2015年11月に、日本の総務省が2013年度から実施している政府機関向け実践的サイバーセキュリティ演習(CYDER)と同様の演習を実施していた。この際も、NECが総務省から受託し協力している。タイ政府は、コンピュータセキュリティインシデントの監視・対応を行う「ThaiCERT」を組織しており、CYDERの内容を高く評価しているという。