IT調査会社のIDCによると、世界IoT市場は今後3年で1兆2900億ドルに達する見込みだという。同社が最新の支出ガイドで予想している。
以前の支出ガイドでIDCは、年平均成長率(CAGR)17%で推移し、2019年までに1兆3000億ドル市場になると予想していた。最新のレポートでは全体の支出予想を下方修正し、2015~2020年のCAGRを15.6%としている。
「コンシューマー製品分野における成長率の高いIoTのユースケースと、小売、保険、ヘルスケアといったサービス主導の業界との間には、非常に密接な関係がある」とIDCのカスタマーインサイト・分析チームでIoT調査マネージャーを務めるMarcus Torchia氏は述べる。「場合によっては、非常に大きな成長が見込まれる未開拓分野がある。製造、運輸といった他の業界では、大きな市場規模とより控えめな成長率のユースケースがこうした業界を特徴付けている」(Torchia氏)
技術的観点から見ると、最も支出が多くなるのはハードウェアだという。次いで、サービス、ソフトウェア、コネクティビティとなっている。ハードウェアは今後5年間で支出が倍増する一方で、全IoT技術グループで成長率が最も低い。ソフトウェアとサービスは、ハードウェアとコネクティビティよりも成長が早く、アプリケーションソフトウェアがIoTソフトウェア投資の半分以上を占める。エンドポイントをネットワークにつなぐモジュールとセンサがハードウェア投資の大半を占めるという。
産業分野では、製造と運輸で投資額が最も高くなり、それぞれ1780億ドル、780億ドルと予想されている。次いで公共が690億ドルとなる。コンシューマーのIoT支出は増加し、2020年には3番目に大きなセグメントになると予想されている。一方で、コネクテッドカーやスマートビルなどのクロスインダストリーのIoT投資も上位のセグメントに入るという。最も支出の増加が早い産業には、保険、コンシューマー、ヘルスケア、小売が挙がっている。
IDCはIoTへの支出予想を下方修正したものの、IoTは2017年に強力なハイテクカテゴリであることに変わりはない。2017年は、IoTに接続するクラウドの話題が増えると予想できる。Amazon Web Services(AWS)、Googleなどが急速にIoT分野を強化しており、他のクラウド事業者もこの動きに続くだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。