トレンドマイクロは2016年1月10日、2016年の1年間に日本国内で観測されたサイバー犯罪のデータを報告した。企業から見たポイントは大きく3つある。(1)ランサムウェアの被害が拡大したこと、(2)標的型攻撃が常時行われていること、(3)公開サーバからの情報漏えい事件が目立つことだ。
(1)のランサムウェア攻撃の被害は、2015年と比べて大きく増えた。企業において同社が検出したランサムウェアのデータによると、検出台数は2015年の1000台から2016年(11月まで)の1万5700台へと急増。被害報告件数は2015年の650件から2016年(11月まで)の2250件へと増えている。
ランサムウェア攻撃の被害が2015年と比べて増えた。企業の場合、検出件数は1000件から1万4500台へ、被害報告件数は650件から2250件へと増えた
ランサムウェアの新種は、継続して増え続けている。全世界で新たに確認されたランサムウェアの数は、2015年の1年間で29個なのに対し、2016年Q1(1月~3月)が27個、2016年Q2(4月~6月)が52個、2016年Q3(7月~9月)が67個だった。
日本語メールを使って国内企業のメールアドレスに送り付けるランサムウェア攻撃も登場した。2016年10月と11月には、同一のフリーメールサービスを送信元とする一連の攻撃が見られた。メールタイトルやメール内容に工夫を凝らし、ランサムウェアのダウンロードを誘導している。
ランサムウェアに感染させるためのメールを日本語で国内企業あてに送り付ける攻撃が登場した。同一のフリーメールサービスを送信元とする一連の攻撃が2016年10月から11月にかけて4件発生した
メールタイトルやメール内容に工夫を凝らし、ランサムウェアのダウンロードを誘導している。