ブラウザメーカーは、ページのプログラムコードのダウンロードやJavaScriptコードの実行、グラフィックや文字の表示といったウェブサイトの読み込みプロセス全体を高速化して、迷惑な待ち時間をなくすことに、多大な関心を払っている。
それに比べて、すでに読み込んであるページの再読み込みは、かなり重要度が低いタスクに思える。だが、実は非常に重要なプロセスであるため、Mozilla Foundationの「Firefox」とGoogleの「Chrome」のプログラマーたちはFacebookと協力して、そのようなプロセスも高速化してきたという。Facebookが米国時間1月26日に明らかにした。たとえば、Googleによると、Chromeでのページビュー20回中1回以上がリロードされているという。したがって、再読み込みの高速化にはメリットがあると言っていいだろう。
Facebookとの2年間にわたる協力を通じて、ChromeとFirefoxは、キャッシングの技術を向上させてきた。キャッシングとは、再び必要になった時に迅速に表示できるように、スマートフォンやPCにデータを保存することを指す。このキャッシングにより、バッテリの消費やモバイルデータの使用量が減り、ページ読み込みの遅れが緩和される。
ブラウザメーカーとウェブ開発者がやりとりすることは多いが、これほどのレベルでの協力は異例だ。新たな標準となる可能性もある。インターネット標準化団体のInternet Engineering Task Force(IETF)も、キャッシングに対してMozillaと同じアプローチを採ってきた。
キャッシング技術の新たな改善により、ブラウザは、グラフィックやフォントのようなウェブ要素の再ダウンロードが必要かどうかのチェックにリソースを無駄にしなくてすむようになった。そういった要素に変更がないことをウェブサイトが教えてくれるからだ。
Chromeでは、この新しい技術のおかげでFacebookのページリロード時間が28%短縮されたことを、ChromeチームのメンバーであるTakashi Toyoshima氏が明らかにしている。高速化はほかのサイトにも役立つ可能性がある。FirefoxチームのメンバーであるPatrick McManus氏によると、BBCのサイトは、以前と比べてリロードが約50%高速化し、テストは優れた結果を示してくれたという。
「実際に十分な体験ができ、利用を心から勧められる」(McManus氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。