MM総研は1月17日、「AR(拡張現実、Augmented Reality)とVR(仮想現実、Virtual Reality)分野の市場調査の結果を発表した。今回の調査は、ウェブアンケートによるもので回答数は2815件。対象は15〜69歳の男女で、調査時期は2016年11月。
これによると、AR技術を活用したコンテンツを利用したことがある人に限ると、利用コンテンツのトップは「ポケモンGO」が65.8%となった。次に多いのが「カメラアプリ(SNOW、Snapchatなどで撮影時に顔が加工されるものなど)」31.6%、「天気予報」17.5%と続いた。
AR利用経験者が利用したコンテンツ
また、ポケモンGOの利用経験がある人の直近1週間でのプレイ時間は、「直近1週間は利用していない」が57.8%と最多となり、「30分未満」12.9%、「1時間未満」10.1%、「2時間未満」5.4%の順となった。これまで同コンテンツに課金した累計金額についは、「0円・課金していない」が88.1%、「2,000円以下」3.1%、「1,000円以下」2.4%の順となった。
ARとVRの認知度については、ARでは「よく知っている」9.5%、「聞いたことがある程度」21.4%となり、一般消費者のARに対する認知度は30.9%となった。また、「聞いたことはない・知らない」69.1%だった。VRについては「よく知っている」16.9%、「聞いたことがある程度」30.6%で、「聞いたことはない・知らない」 が52.5%となった
ARとVRの認知度
VR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の所有状況については、「所有している」が3.4%、「検討中」8.0%、「持っていない」88.5%となった。
VR HMDを「所有している」人に所有製品を複数回答形式で質問したところ、雑誌の付録やイベントなどでも配布される紙製の製品が最も多かった。次いでプラスチック製の簡易的なVR HMDという結果となった。
また、ARとVRについて今後の体験あるいは購入したいという意向については、「体験したい(購入したい)」と回答したのはARが25.6%、VRが30.2%となった。
ARとVRについての体験および購入意向
MM総研では、2016年度のARコンテンツ、VRコンテンツ、VR HMDの一般消費者向け国内市場規模について、ARコンテンツ市場は59億円、VRコンテンツ市場は27億円、VR HMD市場は55億円となる見通しとしており、2017年度以降も更なる普及が見込まれるとしている。
ARコンテンツ、VRコンテンツ、VR HMDの市場規模推移予測(2016年〜2021年)
またVR HMDでは、4万円未満のミドルレンジのものが、スマートフォンなどを活用したモバイル製品で利用されるようになり、さまざまなジャンルで手軽に楽しむ利用シーンが増えそうだとしている。さらに、2020年度にサービス開始予定の次世代移動通信方式5Gや、東京五輪に合わせたVR向けサービスの登場などによって市場規模のさらなる拡大が期待されるとしている。