Slackは、大企業向けの新プラットフォーム「Slack Enterprise Grid」を発表した。また同社は、機械学習を利用して、Slackをデジタルアシスタントのように利用する検索などの機能についても紹介した。
Enterprise Gridでは、従来のチームコミュニケーションプラットフォームに、集中管理のための機能とセキュリティ機能が追加されている。これによって、金融業界や医療業界などの規制の多い業界を含め、企業が組織的にSlackを導入しやすくなる。
Enterprise Gridの管理者は、相互に接続可能な「ワークスペース」を無限に作成することができる。これらのワークスペースでは、従来からあるチャット用のチャンネル、スレッド型のメッセージング機能、音声通話やビデオ通話などの機能を利用できるため、個々のユーザーの使い勝手はあまり変わらない。しかし組織レベルでは、管理者が権限の設定を行えたり、ワークスペース単位でのデータ保持などのセキュリティ機能を利用できるようになるなどの違いがある。
提供:Slack
Enterprise Gridは、Palo Alto Networks、Bloomberg Vault、Skyhigh、Netskopeなどの情報漏えい対策ソリューションや電子証拠開示ソリューションのプロバイダーや、kCuraの「Relativity」などとの統合にも対応している。
Slackはまた、HIPAA法(米国における医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)やFINRA(米金融取引業規制機構)の規則や標準にも対応し、規制の厳しい医療業界や金融業界の組織でも同プラットフォームを導入できるようにした。
IBM、Capital One、PayPalなどの企業がすでにEnterprise Gridを導入している。
同時にSlackは、新たにSAPとパートナーシップを結んだと発表した。SAPは、同社の34万5000社の法人顧客が利用できるSlackボットを提供していく。
Slackはまた、大企業における情報過多の問題を解決するための機能に取り組んでいる。例えばその1つはユニバーサル検索で、組織内で集積された知識に基づく答えを得ることができるという。得られる答えは、関連するメッセージであったり、組織内の専門家であったり、チャネルやファイル、リンクであったりする。
機械学習を利用したほかの機能には、目を離していた間に各チャンネルで交わされたメッセージのうち重要なものを視覚的にハイライトする機能や、朝一番や終業時に、最近のもっとも重要な10件のメッセージを鳥瞰的に見ることができる機能などがある。
Slackのアクティブユーザーは500万人を超えており、これには150万人の有料ユーザーが含まれている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。