ジョージア工科大学電子・計算機工学専攻博士課程の学生David Formby氏は「塩素は、添加量が適切であれば、水を消毒し安全に飲めるようにする役割を果たす。しかし塩素の量が多すぎれば、水の安全性を脅かす有害反応を生み出す可能性がある」と述べている。
研究者らがPLCを発見するプログラムを使用して調査したところ、あるタイプのPLCは、インターネット経由で直接アクセスできるものが1400個見つかったという。多くの場合、この種のデバイスは企業のファイアウォールの内側に配置されているが、ネットワークのセキュリティが破られれば安全ではなくなる。
まだ実際にランサムウェアで産業用組み込みシステムが攻撃された例はほとんどないが、病院がランサムウェアで大きな被害を受けた例は出ている。中には、攻撃によって起きる可能性がある被害に比べれば、身代金の経済的負担はないも同然というケースもある。
これは病院の場合、被害によって患者の命が危険にさらされる可能性があるためだ。上水道システムが人質に取られた場合にも、同じことが起こり得る。
Motorola Foundationの教授であり電子・計算機工学副専攻科長のRaheem Beyah氏は、産業用制御システムのセキュリティホールは少なくとも10年前から認識されていたが、最近になってランサムウェアが注目を集めており、ほかの標的への攻撃が難しくなっているため、今後産業用システムが主要な標的の1つになる可能性があると考えている。
「国家レベルの機関がすでにこの問題について知っており、政治的な目的に利用可能な攻撃手段を持っている可能性は高いが、一般的な攻撃者はこれまでこれらのシステムに関心を持っていなかった」と同氏は述べている。「われわれが望んでいるのは、この問題について注意を喚起することだ。われわれがこの種の制御システムへの攻撃に成功すれば、悪意を持った人物も同じことができる」(Beyah氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。