ノークリサーチは「ERP投資額シミュレーションに基づくソリューション訴求の優先度決定」に関する分析結果を発表した。この分析には同社が実施した「2016年版 中堅・中小企業におけるクラウドERP導入の動向予測レポート」のデータが利用されている。
今後のERP導入提案では「有望なソリューションに絞ってリソースを集中させる」ことが大切で、共通の「基礎データ」にSIerごとの「個別実績」を組み入れたERPソリューション選別法が有効だと分かった。
アパレル製造卸売業向けに提供している2つの販売管理ソリューションの実案件データを例に、既存のマスタデータを活用してそれらを連携させるものと、マスタデータを新規構築してデータを集中管理するとでは、どちらが、1600万円以上の案件となる可能性が高いかをシミュレーションした。
基礎データに異なるソリューションの個別データを組み入れたERP投資額の度数分布
シミュレーションには「ベイズ推定を用いたシミュレーション」を活用。その結果、後者のマスターデータを新規構築してデータを集中管理するソリューションの方が、1600万円以上の案件となる可能性が高いことが分かった。
しかし、顧客のニーズに合わせて「在庫最適化オプション提案」を追加した場合は、前者の既存のマスタデータを活用してそれらを連携させるソリューションを提供したほうが、1600万円以上の案件となる可能性が高いことも判明した。
ノークリサーチは、シミュレーション結果について、ERP本体の投資額だけでなく、オプション適用時に全体の投資額がどうなるか定量的に試算して顧客に提案していくことが重要だとした。